1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト好中球に発現するCEAファミリー細胞接着分子の生理的機能の解析
Project/Area Number |
05680566
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
黒木 求 福岡大学, 医学部, 講師 (10131822)
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Keywords | CEA / NCA / CD66 / 好中球 / 細胞接着分子 / バキュロウイルス |
Research Abstract |
好中球に発現するCEAファミリータンパクBGPg,NCA-50およびCGM6の組換えタンパクを調製し、それらの性質と細胞接着能を調べた。BGPgはもともと分泌型であるのでそのまま、膜結合型のNCA-50とCGM6は分泌型のタンパクをコードするように変えたcDNAを、それぞれトランスファーベクターに組み込みバキュロイウルスDNAと共にカイコ細胞株にトランスフェクトした。培養上清をスクリーニングして得た組換えウイルス液をカイコ5令中に皮下注射し、4日後の体液中の組換えタンパク濃度を抗NCA-50抗体を用いたRIAで測定すると0.2-1.3mg/mlを示した。体液よりNCA-50は抗体カラムにより、またBGPgとOGM6陽イオン交換とゲルろ過により精製した。いずれの精製タンパクもSDS-PAGEにより約4-5万の単一のバンドとして同定された。 これらの組換えタンパクを固相化し、各抗原のN-末端からAB-ドメインまで異なる決定基を認識するCD66抗体との反応性を比較したところ、いずれの抗体でも認識され、それぞれのペプチド部分はほぼ完全に合成されていることが示唆された。また固相化タンパクにCEAファミリータンパクを発現させたCHO細胞を加え、細胞接着能を測定した結果、細胞間の凝集反応による接着活性とほぼ同じ結果が得られた。これらの接着は上記CD66抗体による抑制試験により各タンパクに特異的でN-ドメインが重要であることが確認された。またこれらの接着における糖鎖の関与はまだ明らかではなかったが、TFMSAで糖鎖を除いた場合にも、NCA-50とCGM6間の接着は影響を受けず、少なくとも一方の糖鎖は関与していないことがわかった。今後これらの組換えタンパクの存在が好中球への直接的刺激になるかどうか、また他の刺激による好中球の活性化に影響するかどうかを調べる予定である。
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