1993 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウム利尿ペプチドのジーンターゲティングによる機能解析
Project/Area Number |
05680569
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
南野 直人 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 室長 (50124839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 薫 国立循環器病センター研究所, バイオサイエンス部, 室長 (30125877)
松尾 壽之 国立循環器病センター研究所, 所長 (50028685)
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Keywords | ナトリウム利尿ペプチド / ジーンターゲティング / 機能解析 / ナトリウム利尿ペプチド受容体 / 血圧調節 / 遺伝子構造 / マウス |
Research Abstract |
ナトリウム利尿ペプチドファミリーはANP、BNP、CNPの三種のペプチドより構成され、対応する二種のグアニル酸シクラーゼ共役型受容体(GC-A、GC-B)に作用することにより、レニン-アンジオテンシン系と拮抗し積極的に体液量や血圧を低下させるシステムを形成している。我々は従来よりこれらのペプチドの機能解析に努めてきたが、本研究では最近開発されたジーンタゲティング法を用いることにより、これらの遺伝子欠損動物を作成し、その機能解析を行うことを企画した。 マウス遺伝子ライブラリーより、ANP、BNP、CNP遺伝子をクローニングした。この内BNP遺伝子については、全エクソンを含む3.3kbの遺伝子構造を決定し、さらにジーンタゲティング用に上記3.3kbの構造を中央に含む6kbのフラグメントを調製した。CNPについてはエクソン1、2を含む3.2kbフラグメントの配列を決定し、さらに少し離れた位置に存在し現在までヒト、ブタ、ラットでは構造決定されていないエクソン3部分を含む3kbのフラグメントについても配列を決定した。現在これら二つのフラグメントを繋ぐ中間部の構造を決定している。ANPについては6kbのジーンタゲティング用フラグメントを調製し、既知の構造と比較しているところである。 さらにナトリウム利尿ペプチド系の機能を正確に評価するためにはナトリウム利尿ペプチド受容体(GC-A、GC-B)のジーンタゲティングも必須と考え、GC-A、GC-Bについてもマウス遺伝子ライブラリーよりクローニングした。現在これらの種々のフラグメントをサブクローニングし、ジーンタゲティングに適当で且つ活性発現に必須のグアニル酸シクラーゼ部分を含むフラグメントの選別を行っており、必要に応じて構造決定、cDNAの構造決定等も行うよう計画している。
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