1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05680574
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
崎村 建司 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (40162325)
|
Keywords | グルタミン酸受容体チャネル / NMDA受容体チャネル / 標的遺伝子組換え / シナプス可塑性 / 記憶、学習 |
Research Abstract |
本研究は、脳のもつ高次機能を分子レベルで理解するための端緒として脳の高次機能に密接に関与するNMDA受容体チャネル分子に着目し、標的遺伝子組換えによりNMDA受容体チャネルを構成するεおよびζ各々のサブユニット遺伝子を不活性化したマウスを作成し、NMDA受容体チャネルを構成する各サブユニットの欠失が、シナプスの可塑性の発現にどのように関与するのかを電気生理手法を用いて個体レベルで解析することを目的とする。研究計画は、順調に進捗し以下のような成果を挙げた。 1.クローン化したcDNAをプローブとしてマウスNMDA受容体チャネルの多様性を決定している4種類のεサブユニット(ε1、ε2、ε3およびε4)の遺伝子クローンを単離した。単離した各クローンの制限酵素地図を作成し、部分的塩基配列を決定することにより、サブユニット遺伝子の膜貫通領域と推定される配列など、機能部位をコードするエクソン部分の遺伝子構造を明らかにした。2.εサブユニットの遺伝子の機能部位をコードするエクソンにネオマイシン耐性遺伝子を挿入し、次いでネガティブセレクションをおこなうためのジフテリア毒素遺伝子を結合したターゲッティングベクターを構築した。3.構築した各ターゲッティングベクターをエレクトロポーレーションによりES細胞に導入し、G418で選択をおこない耐性株を分離した。分離した耐性株をPCR法およびサザンブロット法により解析した。その結果、いくつかの遺伝子で標的遺伝子組換えをおこしている細胞株を分離することに成功した。現在残りの遺伝子に関してもスクリーニングを続けている。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Nakano,R.: "A novel mutation in Cu/Zn superoxide dismutase gene in Japanese familial amyotrophic lateral sclerosis" Biochem.Biophys.Res.Commun.(in press). (1994)
-
[Publications] Watanabe,M.: "Distinct distributions of five N-methyl-D-aspartate receptor channel subunit mRNAs in the forebrain" J.Comp.Neurol.338. 377-390 (1993)
-
[Publications] Watanabe,M.: "Distinct spatio-temporal distributions of the NMDA receptor channel subunit mRNAs in the brain" Ann.N.Y.Acad.Sci.707. 463-466 (1993)
-
[Publications] Mishina,M.: "Molecular and functional diversity of the NMDA receptor channel" Ann.N.Y.Acad.Sci.707. 136-152 (1993)
-
[Publications] Takano,H.: "Chromosomal localization of the ε1,ε3 and ζ1 subunit genes of the human NMDA receptor channel" Biochem.Biophys.Res.Commun.197. 922-926 (1993)