1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05680577
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 祐次 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (20127228)
|
Keywords | コラーゲン / モデルペプチド / ヒドロキシプロリン / 構造の安定化 |
Research Abstract |
コラーゲン分子の構造と安定性および繊維形成の機構を解明するため、そのモデルペプチドを化学合成し物性を調べること、また熱力学的な理論計算により、その安定化機構を説明することを試みた。我々が最も注目しているヒドロキシルプロリンの役割を調べるため^<13>Cや^<15>Nでエンリッチしたアミノ酸を用いてトリオリゴペプチドCH_3CO-Pro-Gly-Pro-Pro-Gly-NHCH_3 CH_3CO-Pro-Gly-Pro-Hyp-Gly-NHCH_3およびCH_3CO-Pro-Gly-Hyp-Pro-Gly-NHCH_3を合成した。現在これらトリペプチドを重合して重合度がそろった(Pro-Pro-Gly)n,(Pro-Hyp-Gly)n,(Hyp-Pro-Gly)nを合成中である。同位体ラベルしたアミノ酸は非常に高価で、効率よく小さいスケールで合成する系を確立する必要があったが、これに予想より時間を要し、今年度中に合成を終了することが出来なかった。しかし、予備実験として合成したラベルしないポリペプチドについては結晶化に成功した。合成ポリペプチドの結晶は一般に得難いのでこの結晶化は大きな収穫である。いま示差熱量計を用いて熱安定性を検討している。結晶を用いることにより系を非常に単純化でき成果が期待される。また理論計算についてはワークステーションのサーバーを設置出来たのでKarplusらが開発した動力学計算プログラムCHARmの改良版であるXplorを用いてHypの水和を調べたが、水和のエンタルピー項よりピロリジン環のパッカリングに関するエントロピー項が大きく寄与するといった新しい知見が得られた。これは我々が早くから予想していたことであるが、世界で初めて理論的に裏付けられたことになる。さらに上のラベルしたペプチドのNMR解析により実験的に検証し、ここに得られた知見を確固たるものと近い内にすることが期待できる。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] A.Fujikawa: "X-ray and NMR Conformational Study of Aureobasidin E:A Cyclic Depsipeptide with Potent Antifungal Activity" The Journal of Organic Chemistry. 59. 570-578 (1994)
-
[Publications] K.Ogawa: "Conformation analysis of carba type calcitonins" Peptide chemistry 1993. 441-444 (1994)
-
[Publications] K.Ogawa: "Conformation Analysis of Elcatonin in Solution" Eur.J.Biochem.