1993 Fiscal Year Annual Research Report
細胞核と細胞質間の輸送の分子機構-インフルエンザウイルスによる研究
Project/Area Number |
05680589
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
福田 龍二 金沢大学, 医学部, 教授 (60027331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑田 恵利子 金沢大学, 医学部, 助手 (70228469)
滝澤 剛則 金沢大学, 医学部, 講師 (40192158)
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Keywords | 核・細胞質間輸送 / 核孔 / インフルエンザウイルス / M1蛋白質 / ウイルス粒子形成 |
Research Abstract |
核と細胞質間の高分子物質の輸送機構の研究に関して、インフルエンザウイルスの増殖過程はいくつかの興味ある問題を提起していることを見い出した。そのうちの1つは、核内で複製したゲノムRNA・蛋白質複合体が、ウイルス粒子形成のために核孔から細胞質へと搬出される過程で、ウイルスM1蛋白質(ゲノムRNA・蛋白質複合体を被覆する蛋白質でエンベロープの裏うちをする)が関与することである。 (1)高温感受性(ts)M1変異株ではゲノムRNAの核からの搬出が阻害された。ただしM1の合成量や安定性には異常はなかった。 (2)M1は核に濃縮され顆粒状に分布した。この分布像は、tsM1でもまったく同じだったので、この変異M1では、核からの輸送に関わる活性部位が損なわれていると推定された。 (3)tsM1の変異は1アミノ酸置換であり、これにより二次構造が大きく変化すると予想された。 (4)M1合成量が非常に低下する変異株でもゲノムRNAの核からの搬出が阻害された。これにワクチニアベクターによりM1を供給すると搬出が促進された。 (5)以上よりM1はウイルス粒子形成中間体であるゲノムRNA・蛋白質複合体を核から搬出する活性部位を持つと推定された。 (6)一方、感染ウイルスゲノムが核孔から侵入する時、M1が遊離して細胞質に残されるという証拠がある。 また、M1を発現ベクターで単独発現させると核周辺部にとどまるという結果を得ている。ウイルス感染細胞中でM1がどの様にして核に輸送されるかが新しい問題として提起された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Enami: "An Influenza Virus Temperature-sensitive Mutant Defective in the Nuclear-Cytoplasmic Transport of the Negative-sense Viral RNAs" Virology. 194. 822-827 (1993)
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[Publications] T.Takizawa: "Induction of Programmed Cell Death(Apoptosis)by Influenza Virus Infection in Tissue Culture Cells" J.General Virology. 74. 2347-2355 (1993)
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[Publications] T.Takizawa: "Induction of the Apoptotic Fas Antigen-encoding Gene by Influenza Virus Infection" J.Virology. (in press). (1994)