1994 Fiscal Year Annual Research Report
下等真核細胞のリボソームRNA遺伝子転写制御因子の単離・解明
Project/Area Number |
05680597
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Research Institution | Sitama Medical School |
Principal Investigator |
禾 泰壽 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (60101937)
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Keywords | 出芽酵母 / 分裂酵母 / 転写制御 / リボソームDNA |
Research Abstract |
1.分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe,以下S.pombeと略す)のリボソームRNA遺伝子(リボソームDNA)転写欠損変異株を単離し、当該遺伝子をクローン化する事を目的として、分裂酵母RNAポリメラーゼIIプロモーターによる35SリボソームDNA(35SrDNA)転写の試み: RNAポリメラーゼIIプロモーターとしては分裂酵母で最も強力なプロモーターの1つで、チアミンにより発現が調節されるnmt1プロモーターを用いた。nmt1プロモーターの下流に1単位のrDNAを融合し、nmt1-35SrDNA融合遺伝子を構築し、多コピーベクターに組み込んだ。このnmt1-35SrDNA融合遺伝子が機能のあるrRNAを十分量転写できるか否かをin vivoで調べるために分裂酵母RNAポリメラーゼI温度感受性変異株(nuc 1変異株)にnmt1-35SrDNAを導入した。nuc 1変異株はRNAポリメラーゼIが高温で失活するために高温でrRNAが合成できないので細胞増殖が停止する。もしnmt1-35SrDNA融合遺伝子から十分量の機能あるrRNAが転写されればnmt1-35SrDNA導入株は高温での増殖が回復する。結果は導入株の高温での増殖は少し促進されたものの単一コロニーが形成できるほどは強く発現しなかった。現在別のプロモーターと1単位のrDNAの新融合遺伝子を構築している。上述のnmt1-35SrDNA導入株に新融合遺伝子を重複導入して、RNAポリメラーゼIIで転写されるrRNAを増やし高温で細胞増殖が回復するか否かを調べる予定である。 2.出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae,以下S.cerevisiaeと略す)のリボソームRNA転写欠損変異rrn3を相補するS.pombeのcDNA及びKluveromyces lactis(K.lactis)のgenomic DNAの単離: RRN3の温度感受性変異rrn3-2を相補するS.pombeのcDNAとして前年度に単離されたSRN31に加えて新たにSRN32が単離された。一方K.lactisのgenomic libraryからrrn3-2を相補できるSRN33が単離された。現在SRN32及びSRN33の解析を始めたところである。現在のところ、S.cerevisiaeのrDNA転写因子変異rrn6及びrrn7を相補する他酵母遺伝子は単離されていない。
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Research Products
(1 results)