1993 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエの卵原細胞の増殖制御と分化に関する研究
Project/Area Number |
05680632
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡田 益吉 筑波大学, 生物科学系, 教授 (60015534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸尾 文昭 筑波大学, 生物科学系, 助手 (30199921)
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Keywords | ショウジョウバエ / 卵形成 / 精子形成 / 不完全分裂 / 細胞質連絡 / 卵原細胞 / 精原細胞 / ポリフューゾーム |
Research Abstract |
本研究は、ショウジョウバエの卵形成初期過程におけるポリフューゾーム(PF)の機能を分子レベルで解明することにより、卵原細胞の増殖制御および卵母細胞への分化機構に関する理解を得ることを目的としている。PF構成タンパク質の遺伝子をクローニングし、遺伝子座を決定した後、突然変異系統を単離して機能解析を行うという2年間の計画に従い初年度は以下の成果を得た。 1.ポリフューゾーム構成タンパク質(PFP)の精製・濃縮:部分アミノ酸配列の決定を行うには、高純度、高濃度のタンパク質試料が不可欠である。分子量205kDの精製ミオシンを対照としてPFPの定量を行ったところ、卵巣1個当たり約15ng(総タンパク質の0.5%以下)であった。1回の解析に必要な試料は100pMなので、分子量230kDのPFPでは23μg(卵巣1500個分)も必要となる。2次元電気泳動パターンの解析から、PFPと同じ分子量の他のタンパク質はないことがわかった。そこで、各操作の回収率を考慮し、大規模なSDS-PAGEを3度繰り返す精製・濃縮系を確立した。 2.精巣でのポリフューゾームの発見:ショウジョウバエの精原細胞も卵原細胞と同様のシスト形成を行うが、ポリフューゾームの記載はない。そこで6年度に行う突然変異系統の解析の基礎データとして、抗体を利用して精巣でのポリフューゾームの存在を調べたところ、卵巣とは形態が少し異なるが同一の構成タンパク質を含むポリフューゾームを発見した。
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