1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05680633
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田代 康介 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (00192170)
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Keywords | 初期発生 / 体軸形成 / 中胚葉誘導 / アクチビン / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
両生類胚で最も早く、かつ体軸決定に重要な細胞間の作用は中胚葉誘導であり、これに関わる誘導因子が最近同定されてきているが、正常な誘導そして発生が起こるためには、種々の誘導因子が発現時期及び部域を適切に調節される必要がある.本研究では、中胚葉誘導因子の一つであるアクチビンを中心として細胞の受容能に重要なアクチビンレセプター及びアクチビンの活性を調節すると考えられるホリスタチンの発現調節機構を解析し、誘導能、受容能の部域的時間的調節機構の解明を目的として研究を行なっている.1993年度の研究結果を以下にまとめた。 A)アクチビン、アクチビンレセプターの発現解析 まず、アクチビンレセプターのタンパク質レベルでの発現を解析するために、人為的に合成したタンパク質を用いて特異的な抗体を作製した.現在、これを用いて時間、部域両面にわたる解析を進めている.一方、mRNAレベルでは、母性成分としては局在性がないが、発生が進むにつれて起こる新規合成は明かに背側に局在していることが判明した.このことは、アクチビンレセプターそのものも受精直後の誘導作用の影響下にあることを示している。 B)フォリスタチンの機能及び発現制御機構 ホリスタチンの発現は、胚手術、及び、in situ hybridizationによって解析した結果、初期から局在して発現し、後期においてもその局在性は保たれることが判明した.アクチビンの発現に関しては、Meltonらによって報告されているが、初期においての局在は認められておらずむしろ均一に発現していることから、ホリスタチンの限局された発現がアクチビンの活性制御に重要であることを強く示唆している.現在、ホリスタチンの発現制御の解析のための遺伝子プロモーター解析を行っている。
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