1994 Fiscal Year Annual Research Report
ハーダン腺由来細胞成長因子による神経細胞の分化誘導機構の解析
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05680652
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Research Institution | UNIVERSITY OF TOKYO,FACULTY OF MEDICINE |
Principal Investigator |
加納 和孝 東京大学, 医学部(医), 助手 (70111507)
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Keywords | 細胞成長因子 / ハーダー腺由来細胞成長因子(HGDGF) / 線維芽細胞成長因子 / 神経細胞 / 視神経 / 神経網膜 |
Research Abstract |
神経細胞の分化には様々な細胞成長因子がかかわっていると考えられる。視神経を例にとるとFGF、PDGF、NGF、VEGF、CNTF等の多くの細胞成長因子が発生及び分化の過程で働いていることが実験的に示されている。 今回の研究ではハーダー腺由来細胞成長因子(HGDGF)を中心として、神経細胞への細胞成長因子の働きを調べるために、以下の実験を行った。 1.ラット胎児より外胚芽性神経前駆細胞を培養し、その神経突起の伸長を示標としてHGDGF単独、あるいはbFGF,EGF等他の細胞成長因子の存在下でのHGDGFの働きを詳しくしらべた。 2.8日目ニワトリ胚芽神経網膜は培養を続けるとDNAの断片化を伴うアポトーシスをおこす。本年度の実験で申請者はbFGFがこの過程を著しく促進することを見出したbFGFによるアポトーシスの促進は抗bFGF抗体によって阻害される。このことを基礎にしてbFGFによって引き起こされるアポトーシスへのHGDGFの効果を検討した。 その結果次の様なことがわかった。 1.ラット神経前駆細胞ではHGDGFは細胞の増殖を促進する。またbFGFも同様に増殖を促進するがこの2つの成長因子を同時に投与しても相乗効果は認められなかった。その他の因子は増殖促進、相乗効果共になかった。 2.ニワトリ胚神経網膜培養細胞に対するbFGFのアポトーシス促進作用はHGDGFの同時投与によって抑制され、シューラミンの添加によっても抑えられる。
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