1993 Fiscal Year Annual Research Report
神経伝達物質トランスポーター遺伝子の多様性と神経疾患
Project/Area Number |
05680678
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
北山 滋雄 広島大学, 歯学部, 講師 (80177873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土肥 敏博 広島大学, 歯学部, 教授 (00034182)
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Keywords | 神経伝達物質 / トランスポーター / シナプス伝達 / コリン作動性神経 |
Research Abstract |
1.Mayserら(1992)により報告されたラットコリントランスポーターcDNAシークエンスをもとに、これに特異的なプライマーを設計し、PCR法によりヒト脳cDNAライブラリーをスクリーニングしたが、求めるフラグメントを得ることができなかった。 2.報告のトランスポーターがまちがいなくコリントランスポーターであることを確認する目的で、上記プライマーを用い、コリン取込みが報告されているウシ副腎髄質クロマフィン細胞、ラット副腎褐色細胞腫由来PC12細胞より得たmRNAからRT-RCRを行ったが求めるフラグメントを得ることはできなかった。 3.現在までに報告されている各種トランスポーターに共通するcDNA配列をもとにdegenerate primerを設計し、PC12細胞mRNAよりRT-PCRを行った結果、いくつかのフラグメントが得られたが、これらは全てノルエピネフリントランスポーターと未知のものであった。 4.以上の結果はMayserらの報告したトランスポーターがコリントランスポーターではない可能性と、コリントランスポーターアミノ酸配列が、GABAトランスポーターなど他のトランスポーターとある程度離れ、相同性に乏しい可能牲を示唆している。 5.現在までに神経終末細胞膜に存在するトランスポーターとしては(a)GABAトランスポーターを始めとする膜を12回貫くタイプのトランスポーター、(b)6〜10回貫くグルタミン酸トランスポーター、の2つのサブファミリーが知られている。コリントランスポーターは活性、薬理学的性質などから数種の異なるタイプが知られており、これらがそれぞれに相同性の高い第3のサブファミリーに属する可能性もある。
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