1993 Fiscal Year Annual Research Report
ラット脳に発現する新規な7回膜貫通型受容体遺伝子の単離・解析
Project/Area Number |
05680682
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
畑 信吾 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (40238001)
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Keywords | 7回膜貫通型受容体 / G蛋白質共役型受容体 / ラット / 脳 / cDNAクローニング |
Research Abstract |
7回膜貫通型受容体超分子族の構造において、3番目と6番目の膜貫通部分のアミノ酸配列をもとにプライマーを合成した。ラット脳cDNAライブラリーを鋳型としてPCRを行なったところ、約440bpのDNA断片群が増幅された。これをプラスミドベクターにサブクローニングしてDNA塩基配列を調べたところ、従来報告されていたエンドセリン受容体やヒスタミンH2受容体などの他に、データベースに登録されていない新規なDNA断片が2種類見つかった。そこで次に、このうちのひとつをプローブにして、ラット脳cDNAライブラリーよりRBU-15と名付けたクローンを単離した。 RBU-15は3,477bpのインサートをもち、そのうち5'側の1,341bpには447個のアミノ酸からなるオープンリーディングフレームが見いだされた。RBU-15の蛋白質産物の疎水性を調べたところ、6つの膜貫通部分があることが推定された。ノーザンブロッティングの結果より、RBU-15は脳に主として発現し、脾臓にも発現していることが示された。しかし、3.8kbのシグナルは弱いものであることから、その発現量はアクチンおよそ400分の1前後ではないかと推定した。以上の結果よりRBU-15は脳における新規な7回膜貫通型受容体のcDNAクローンであるが、5'部分において1番目の膜貫通部分を含む約300bpが欠落していると結論した。 完全長cDNAを得ることを目的として、cDNAライブラリーの再検索、特異的オリゴヌクレオチドをプライマーとした新たなライブラリーの作成、PCRを用いたPCRE法などを試みたが、これまでのところ、いずれも不成功に終わっている。
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