1994 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス伝達に伴うトランスグルタミナーゼ活性変動の検索
Project/Area Number |
05680685
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
永田 豊 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (70084499)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 正人 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (40097720)
|
Keywords | シナプス伝達 / トランスグルタミナーゼ / 神経伝達物質(カルバコール / 一酸化窒素 / 環状GMP |
Research Abstract |
摘出後もシナプス伝達機能を長時間維持する白鼠上頸交感神経節(SCG)を、生理的溶液中で好気的に incubate しながら、神経伝達物質を作用させたとき、SCG内で短時間に変動するCa^<2+>依存性酵素のトランスグルタミナーゼ(TG)活性の変動を、^3H-プトレスチンがカゼイン蛋白に取り込まれる放射活性量より測定した。近年、平滑筋弛緩作用をもつことで注目されている一酸化窒素(NO)は、グアニル酸シクラーゼ(GC)と共役して環状GMPを著明に増大することが知られている。そこでNO刺激による環状GMP生成能とTG活性化との関連を、ムスカリン性コリン作動性伝達物質(カルバコール:Carb)刺激をSCGに与えた条件で観察した。Carb刺激によってSCG内環状GMPは著明に増大するが、NOを細胞外で捕捉するヘモグロビン(Hb)を投与すると元のレベルにまで低下した。また、Hb投与はCarbによるSCG内TG活性の上昇を著明に低下させた。さらに、NO合成酵素(NOS)の特異的抑制剤(L-NMMA)の投与によって、やはりCarb刺激によるSCG内環状GMP生成をTG活性増加は、著明に抑制された。しかし、GC活性を阻害するメチレンブルー(MB)は、TG活性値には変動を与えなかった。したがって、細胞内の至適Ca^<2+>濃度により活性化させるTG酵素は、カルバコール刺激により発生するNOが環状GMP生成系を介さないで、直接に活性化されることが推定された。つまり、シナプス伝達機構には、NOを介するTG活性化系が密接に関与している可能性が示唆された。
|
-
[Publications] Ando,Nagata & Tatematsu: "Effect of axotomy on nitric oxide-dependent cyclic GMP..." Neuroscience Research. 19. 67-72 (1994)
-
[Publications] Ando,Nagata et al.: "Blockade effect of nerve growth factor on GMl ganglioside..." Neuroscience Research. 19. 373-378 (1994)
-
[Publications] Ando,Nagata et al.: "The intercellular communication via nitric oxide and its..." Brain Research. 650. 283-288 (1994)
-
[Publications] 安藤、永田(他): "白鼠上頸部交感神経節内一酸化窒素依存性環状GMP生成系におよぼす・・・・" 藤田学園医学会誌. 17. 279-285 (1994)
-
[Publications] 安藤、永田(他): "カルバコール刺激に依存した白鼠上頸部交感神経節内一酸化窒素情報伝達系・・" 藤田学園医学会誌. 18. 81-88 (1994)
-
[Publications] 安藤、永田(他): "カルバコール刺激による白鼠上頸部交感神経節トランスグルタミナーゼ・・・" 藤田学園医学会誌. 18. 105-112 (1994)
-
[Publications] 安藤、永田(他): "白鼠上頸部交感神経節内一酸化窒素依存性環状GMP生成系・・・・・・・" 神経化学. 33. 512-513 (1994)
-
[Publications] 安藤、永田(他): "カルバコール刺激依存性の白鼠上頸部交感神経節内トランスグルタミナーゼ・・" 神経化学. 33. 564-565 (1994)