1995 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス伝達に伴うトランスグルタミナーゼ活性変動の検索
Project/Area Number |
05680685
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Research Institution | Department of Physiology, School of Medicine, Fujita Health University |
Principal Investigator |
永田 豊 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (70084499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 理充 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (30278303)
安藤 正人 愛知学泉大学, 助教授 (40097720)
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Keywords | シナプス伝達 / トランスグルタミナーゼ / 神経伝達物質(カルバコール) / 一酸化窒素(NO) / 環状GMP / スーパーオキシド・ジムスターゼ(SOD) |
Research Abstract |
生体から摘出後もシナプス伝達機能を長時間維持する白鼠上頚部交感神経節を、生理溶液中で好気的にincubateしながら神経伝達物質を作用させた時、神経興奮に伴って短時間で著明な変動を示すCa^<2+>依存性酵素のトランスグルタミナーゼ(TG)活性を、^3H-プトレスチンがカゼイン蛋白内に組み込まれる放射活性値より測定した。ムスカリン性作動性アセチルコリン・アゴニストのカルバコール(Carb)は、SCG内シナプス伝達を促進する際SCG内環状GMPの著明な増大をひきおこし、またTG活性を数分以内に数倍に増加させるのが見出された。神経組織内で情報伝達系分子として近年注目されている一酸化窒素(NO)は、SCG内環状GMPの著明な増大をひきおこし、TG活性値の増加をもひきおこすのが示された。NO合成酵素(NOS)の特異的阻害剤(L-NMMA)は、Carb刺激によるSCG内TG活性他を抑制したが、環状GMP合成酸素活性の阻害剤メチレンブルー添加によっては、Carb依存性TG活性値は影響を受けなかった。さらに、細胞外のNO分子を補足してその作用を無力化するヘモグロビン添加により、Carb刺激によるSCG内TG活性化は抑制された。このような諸実験より、CarbはSCG内節後ニューロンのムスカリン性レセプターと特異的に結合して、その信号は発生したNOが環状GMP生成系を介さないで細胞内Ca^<2+>濃度を増加させる結果、Ca^<2+>依存性TG活性の著明な増強がひきおこされるという細胞内情報伝達系が明らかにされた。また、Carb刺激によりSCG内で抗酸化作用を示すスーパーオキシド・ジスムターゼ(SOD)活性が明らかに増大することが示されたが、この効果はNO阻害剤(L-NMMA)添加で抑制されたことから、NOはシナプス伝達に関与し活性酸素発生をもひきおこして細胞興奮性を高め、これを処理するSOD活性を増大される作用に関与している可能性を強く示唆している。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Ando, Fujita, et al.: "Possible involvement of nitric oxide in carbachol- induced・・・" Neuroscience Research. 21. 267-272 (1995)
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[Publications] Fujita, Nagata, Yamauchi: "Alteration of transglutaminase activity in rat and human・・・" Neuroscience Research. 20. 1195-1201 (1995)
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[Publications] Ando, Yamauchi, Nagata・・・: "Induction of tissue transglutaminase in rat superior・・・" Neurochemical Research. 22(in-press). (1996)
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[Publications] Fujita, Yamauchi, Nagaat: "Remarkable reduction of transglutaminase activity in the・・・" Cellular and Molecular Neurobiology. 16(in-press). (1996)
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[Publications] 安藤、藤田、永田(他): "カルバコール刺激による白鼠上頚部交感神経節内トランスグルタミナーゼ活性化・・" 神経化学. 34. 130-131 (1995)
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[Publications] 安藤、藤田、永田(他): "筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者脊髄から得られた特異タンパク質の解析" 神経化学. 34. 158-159 (1995)
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[Publications] 田丸、松谷、永田(他): "実験的小頭症ラット線状体のドーパミンおよびその代謝物の変化:in vitro" 神経化学. 34. 194-195 (1995)
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[Publications] 安藤、山内、永田(他): "Carbachol刺激による白鼠上頚部交感神経節内superoxide dismutase酵素の・・・" 藤田学園医学会誌. 19(1). 101-106 (1995)
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[Publications] 藤田、山内、永田(他): "グルタミン酸毒性によるラット脊髄組織変性過程におよぼす核酸および蛋白代謝・・" 藤田学園医学会誌. 19(2). 203-211 (1995)
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[Publications] 安藤、藤田、永田(他): "筋萎縮性側索硬化症患者脊髄中のSuperoxide DismutaseおよびCytochromec・・" 藤田学園医学会誌. 19(2). 258-263 (1995)
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[Publications] Ando, Yamauchi, Nagata: "Induction of tissue transglutaminase in rat and human spinal・・" Neurochemical Research. 22(in-press). (1996)
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[Publications] Fujita, Yamauchi, Nagata: "Remarkable reduction of transglutaminase activity in the spinal." Cellular and Molecular Neurobiology. 16(in-press). (1996)