1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05680704
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Research Institution | Juntendo University School of Medicine |
Principal Investigator |
新井 康允 順天堂大学, 医学部, 教授 (50053004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 志津子 順天堂大学, 医学部, 助手 (20255649)
宮川 桃子 順天堂大学, 医学部, 助手 (90103845)
石 龍徳 順天堂大学, 医学部, 講師 (20175417)
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Keywords | LHRHニューロン / 嗅上皮 / 移動 / NCAM / 発生 / ニワトリ胚 |
Research Abstract |
カルボシアニン色素DiI色素をトレーサーとして,3.5-4.0日胚の嗅上皮細胞を標識すると,2日-4日後に標識細胞が嗅神経に沿って移動して,実際に脳内に出現すること,そして,これらのDiI標識細胞の多くが同時にLHRHを発現することを確かめた。この結果は嗅上皮で生まれたLHRHニューロンが脳内へ移動することを示す直接の証拠である。 嗅板を3.5日のニワトリ胚で除去した場合,嗅上皮の傷害の程度に応じて結果が異なることが分かった。 嗅上皮の除去が完全で,嗅神経の発達が傷害され嗅神経が欠損した場合,LHRHニューロンは脳内に出現しない。嗅上皮除去が不完全で,ある程度の数のLHRHニューロンが出現する。その場合,嗅神経の発達が悪くともNCAM-H陽性の細い束の嗅神経が前脳に達していれば,少数のLHRHニューロンが脳内に出現した。しかし,嗅神経が前脳胞まで到達できない場合は,LHRHニューロンは途中までしか発達しないNCAM-H陽性の嗅神経成分と一緒に認められた。未発達の嗅神経は,嗅上皮の背側端近くで,眼神経の内側鼻枝と融合することが多い。眼神経の内側鼻枝はやはりNCAM-H陽性で,鼻領域に分布する三叉神経由来の感覚神経である。傷害を免れたLHRHニューロンは未発達の嗅神経にと共に眼神経内側鼻枝と一緒になり,このNCAM-H陽性の神経束に迷入するのが観察された。LHRHニューロンはこの神経束内を中枢及び末梢方向の両方行に移動するのが認められた。嗅上皮組織の培養系では,嗅神経の線維の組織片からの成長伸展が観察されたが,これらの伸展神経線維はNCAM-H陽性で,組織片から外へ移動するLHRHニューロンは常にNCAM-H陽性のこれらの神経成分と共存し,嗅神経線維の突起が組織片から外へ出ないで中に留まっている例ではLHRHニューロンの組織片外への移動はみられず,組織片内に留まっていた。 以上のことから,LHRHニューロンの移動に構造的因子が重要な意味をもつことを示すと同時に,嗅覚上皮のLHRHニューロンの前駆細胞は移動の経路や標的などについて詳細にはプログラムされてはいないことを示す。また,NCAM-HがLHRHニューロンの移動をガイドする化学的因子として働いていると思われる。
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