1993 Fiscal Year Annual Research Report
ゴナドトロピン分泌調節におけるアミノ酸作動性ニューロンの役割と機能的配置
Project/Area Number |
05680710
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
明間 立雄 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (60128585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 篤彦 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (40207288)
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Keywords | ドナドトロピン / グルタミン酸 / GABA-A受容体 / ガンマアミノ酪酸 / NMDA受容体 / GABA-B受容体 / beta-エンドルフィン / mu受容体 |
Research Abstract |
1.ゴナドトロピン分泌調節におけるアミノ酸作働性ニューロンの役割・卵巣摘出ラットのエストロゲン誘起黄体形成ホルモン(LH)サージを指標とし、このサージ発現のNMDA受容体阻害薬による抑制と、サージに時刻的にほぼ一致する視索前野・前視床下部のグルタミン酸(GLU)放出増加を明らかにした。一方、エストロゲンによりサージが発現しないラットではGLU放出の増加が見られないことから、上記領域におけるGLU放出増加がサージ発現の必要条件の1つであることが示唆された。 興奮性及び抑制性アミノ酸作働性ニューロンの機能的相互関係:抑制性伝達物質であるガンマアミノ酪酸(GABA)及びGABA-A、GABA-B両受容体作働薬はいずれもLHサージを抑制した。GABA-A作働薬はNMDAによるLH放出も抑制したが、GABA-B作動薬はNMDAの効果を抑制しかなった。GABA-B作働薬はLHサージの抑制と同時に視索前野GLU放出も抑制した。従って、分泌調節神経回路内でGLUニューロンとGABA-A作働性ニューロンはLHRHニューロンを並列に拮抗支配し、GABA-B作働性神経はGLUニューロンに対する抑制を介してLHRHニューロンを抑制支配することが示唆された。 興奮性アミノ酸作働性ニューロンとオピオイド作働性ニューロンの機能的相互関係:オピオイド(mu受容体)拮抗薬ナロキソンによるLH放出はNMDA受容体阻害薬により抑制され、NMDAによるLH放出はbeta-エンドルフィン(beta-E)により抑制されないことから、beta-EニューロンもGABA-B受容体作働性ニューロンと同様にGLUニューロンに対する抑制を介してLHRHニューロンを抑制支配することが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 明間立雄: "雌ラットにおける視床下部ゴナドトロピン分泌調節神経回路-アミノ酸伝達物質作働性ニューロンを中心として-" 聖マリアンナ医科大学雑誌. 21. 139-149 (1993)
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[Publications] Tatsuo Akema: "Differential effects of GABA_A and GABA_B receptor agonists on NMDA-induced and noradrenaline-induced luteinizing hormone release in the ovariectomized estrogen-primed rat." Neuroendocrinology. 57. 28-33 (1993)
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[Publications] Atsuhiko Chiba: "Effects of pinealectomy and melatonin on the timing of the proestrous luteinizing hormone surge in the rat." Neuroendorinology. 59. 163-168 (1994)