1994 Fiscal Year Annual Research Report
カ-バチルスの培養法確立と菌体の病原因子解明に関する研究
Project/Area Number |
05680745
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
伊藤 豊志雄 財団法人実験動物中央研究所, 動物医学研究室, 室長 (20106644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 弘明 実中研, 動物医学研究室, 研究員 (30250012)
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Keywords | カ-バチルス / 病原因子 / 実験動物 / 培養方法 / 感染病 / マウス / 細菌 |
Research Abstract |
カ-バチルスの培養は、これまでに発育鶏卵漿尿腔内接種あるいは株化細胞である3T3培養細胞への接種が常用されてきた。しかしながら、これらの方法では培養成績の卵によるバラツキが大きいこと、雑菌の混入機会が大である野外材料からの本菌の分離には不向きであるといった大きな問題点があった。我々を含め、複数の研究者が、本菌の細胞成分を含まない人工培地での培養を試み、一定の成果を上げたものの、菌の増殖は極めて不十分であった。そこで、今年度も前年度に引き続き、炭酸ガス培養装置(濃度5%)を用い、カ-バチルス感染発育鶏卵漿尿液を各種の組織培養用液体培地に接種し、その増殖性を検討したが、いずれも良好な成績は得られなかった。 多量のカ-バチルスを集めるため、とりあえず、3T3細胞を用いた菌の増殖を検討した。細胞のシートが形成された後に上記の菌材料を接種し、その時に使用する維持培地に添加するウシ胎仔血清の量を検討した。血清10%添加は、2%に比べ、菌の増殖は明らかに良好であった。3T3細胞と血清10%添加培地を用いたカ-バチルスの継代成績では、継代が重なるにしたがって、菌が速やかに増殖するようになった。さらに、一旦菌が増殖し、細胞もその大半が変性し培養ボトルから剥がれた時点で、菌と細胞を含む培養液をピペットで回収し、その空のボトルに新たに培養液を加え、再度培養することによっても多数の菌を増殖させ得た。一応、培養液あたり約10^7/mlの菌を得ることができたので、菌体成分を得る見通しがついたものと判断した。
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