1995 Fiscal Year Annual Research Report
カ-バチルスの培養法確立と菌体の病原因子解明に関する研究
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05680745
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals (CIEA) |
Principal Investigator |
伊藤 豊志雄 財団法人 実験動物中央研究所, 動物医学研究室, 室長 (20106644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 弘明 財団法人 歛験動物中央研究所, 動物医学研究室, 研究員 (30250012)
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Keywords | カ-バチルス / 病原因子 / 実験動物 / 培養方法 / 感染病 / マウス / 細菌 |
Research Abstract |
前年度の3T3細胞を用いたカ-バチルスの培養法も、理由は不明であるが、トライアル毎のバラツキが大きかった。今回は、発育鶏卵や培養細胞に順化した菌株を用い、再度、増殖性を検討した。その結果、発育鶏卵順化株は卵によるバラツキを改善することはできなかった。すなわち、等分した材料を卵に接種しても、培養1週後で1/3は増殖が認められず、増殖が認められた例でも卵の個体による菌数のバラツキは大きかった。株化培養細胞を含む液体培地に関しては、3T3細胞順化株を用いたが、これまで使用したハムスター気管培養液加イ-グル培地と3T3細胞では本菌の増殖性に際立った差は認められなかった。すなわち、培養1週後に、約100倍程度にしか増殖しないというものであった。今回の検索で、3T3細胞以外に、BHK細胞においても菌が増殖することが初めて確認されたが、3T3細胞のそれを凌駕できなかった。以上の成績から、カ-バチルスの増殖速度が比較的遅く、本菌感染後発病するまでに時間を要することと関連性のあることが示唆された。 寒天培地での増殖性については血液寒天培地や寒天加ハムスター気管培養液加イ-グル培地などを用い、好気条件およびキャンピーバッグや炭酸ガス培養装置を用いた微謙気性条件での検討も実施したが、寒天培地上に集落の形成を確認することはできなかった。 菌の検出には培養以外に抗原や核酸を検出する方法がある。培養以外に、遺伝子増幅法による本菌の検出も検討した。本菌に特異的な16SrRNA配列を選択し、自然および実験材料に対し用いたところ、その有用性が確認された。 十分な菌数を得る事が困難なため、これまで以上の病原因子解明のための検索はできなかった。
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