1993 Fiscal Year Annual Research Report
歯科補綴に用いる用途別高性能磁気維持装置の開発研究
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05680760
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
木内 陽介 徳島大学, 工学部, 教授 (80035807)
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Keywords | 磁石 / 磁性アタッチメント / 磁力 / 磁界解析 / 歯科補綴 / 義歯 |
Research Abstract |
義歯等の歯科補綴物を磁気的な吸引力で維持する装置を磁性アタッチメントと呼ぶが、私はこれまで歯科医の協力のもとで磁性アタッチメントの開発を手掛け、その一部は既に実用化され、実際の臨床で利用されている。今回の研究の目的はこれをさらに発展させることであり、特に歯科臨床から要求の多い補綴物の種類、形状ならびに歯牙の形態に応じた磁性アタッチメントを開発することである。これに関し、本年度は以下のような実績をあげた。 1.磁力解析ツールの開発:研究目的達成のために、まず任意の形状を持つ磁性アタッチメントの磁気構造および磁力を解析するための支援ソフトを開発、導入した。これはワークステーション(SUN SPARC 10)上で稼動でき、市販ソフトをベースに本研究に合致するように改良したものである。 2.磁性アタッチメントの加工性:従来開発してきた磁性アタッチメントに対し、臨床の場でどの程度の切削、加工性があるかを磁力のもとに検討した。 3.薄型磁性アタッチメントの開発:義歯床の薄い場合にも使用できる磁性アタッチメントとして、カップヨーク型磁性アタッチメントの改良を行った。 4.磁性アタッチメントの維持力の比較:いくつかの形状の磁性アタッチメントの維磁力を計算し、性能比較を行い、用途別への適応性を調べた。 5.可撤式磁性のアタッチメント:磁性アタッチメントの磁石構造体はMRI撮像時に取り外すことができるが、キーパー部は従来、歯根面に鋳接されているので除去することはできず、MRI像に欠落を生じる原因となっていた。そこでMRI対策用の可撤式キーパーを持つ磁性アタッチメントの開発を行った。ここではキーパーをネジ式とし、臨床試験の結果有用であることが確かめられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 木内陽介: "磁性アタッチメントの基礎物理学" 歯科ジャーナル. 38. 17-26 (1993)
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[Publications] 奥野攻: "カップヨーク型磁性アタッチメントにおけるシールドリングの改良について" 日本磁気歯科学会雑誌. 2. 1-10 (1993)
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[Publications] 佐々木英機: "可撤式磁性アタッチメントとその臨床応用" 歯界展望. 83. 101-110 (1994)