1993 Fiscal Year Annual Research Report
弾性線維マトリックスを素材とした人工血管用バイオエラスチック材料に関する基礎研究
Project/Area Number |
05680761
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡元 孝二 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (40122618)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 祐子 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (80203488)
|
Keywords | 弾性線維 / エラスチン / 人工血管 / バイオエラスチック材料 / 弾性機能 |
Research Abstract |
本研究は平成5年度及び6年度の2年間の研究計画によって構成されている。平成5年度の計画は人工血管用バイオエラスチック材料の作製及びその材料の弾性と構造の解析である。当初の計画は、哺乳動物の弾性蛋白質エラスチンの高ホモロジー領域に共通して存在して弾性機能を発現するペンタペプチドGly-Val-Gly-Val-Pro(以下GVGVP)繰り返し配列と、フィブロネクチン、ラミニン等の接着性蛋白質に共通して存在する細胞接着性ペプチド配列Gly-Arg-Gly-Asp-Ser-Pro(以下GRGDSP)の適当量をブレンドしたブロック型ポリペプチドpoly[a(GVGVP),b(GRGDSP)]及び細胞接着性ペプチドGRGDSP配列と抗血栓性ペプチド配列Gly-Arg-Gly-Asp-Tyr(Me)-Pro(以下GRGDY(Me)P)の適当量をブレンドしたブロック型ポリペプチドpoly[a(GVGVP),b(GRGDSP),c(GRGDY(Me)P)]を合成し、それを弾性・細胞接着性・抗血栓性ポリペプチドとすることであった。しかし、実験を遂行していく段階で、GRGDSP配列が細胞接着性以外に血小板凝集阻害作用を有することを見い出し、その作用機構を検討した結果、GRGDSP配列は血小板凝集過程のcritical stepであるフィブリノーゲンの血小板への結合を 抗的に阻害することにより血小板凝集を完全に阻害することが明らかになった。その為、上記のGRGDY(Me)P配列の導入を中止し、代替としてGRGDSP配列の導入に変更し、弾性・細胞接着性・抗血栓性ポリペプチドpoly[a(GVGVP),b(GRGDSP)]を合成した。さらにこのポリペプチドを37℃、自己集合体形成下、^<60>Coでgamma線照射したグラフト型架橋重合体を作製した。以上の如く材料を作製することはできたが、まだ量的に少なく、平成6年度に大量作製を行う予定である。また材料作製に時間がかかった為、材料の弾性と構造の解析についてはまだ検討していないので、それも平成6年度に行う予定である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 岡元孝二: "Studies of differential scanning calorimetry and temperature profile for turbidity formation on self-assembly of elastin peptides" Peptide Chemistry 1992. 399-401 (1993)
-
[Publications] 上村祐子: "Chemotaxis of monocytes toward hexapeptides of elastin" Peptide Chemistry 1992. 396-398 (1993)
-
[Publications] 岡元孝二: "Role of copper ion self-assembly of elastin peptides" Peptide Chemistry 1993. (印刷中). (1994)
-
[Publications] 神里早月: "Effect of elastin peptides on macrophage activation and chemotaxis" Peptide Chemistry 1993. (印刷中). (1994)
-
[Publications] 甲斐原 梢: Elsevior Science Publishers B.V.27HC01:New Functionality Materials,Volume B:Synthesis and Function Control of Biofunctionality Materials(T.Tsurutaet al.Eds), 281-286 (1993)