1994 Fiscal Year Annual Research Report
分子トレーサ法による血流分布計測とフラクタル解析による冠血流分布の不均一性の解
Project/Area Number |
05680768
|
Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10152365)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 健志 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 講師 (30249560)
辻岡 克彦 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (30163801)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
|
Keywords | 動脈血酸素分圧 / デジタルラジオグラフィ / 血流分子アーカー / 局所冠血流分布 / 空間的相関関数 / フラクタル |
Research Abstract |
動脈血酸素分圧(PO_2)は局所血流調節を主る重要な変数である。今年度はPO_2低下時の心筋内微小循環レベルの血流分布を前年度に確立した分子トレーサ法で計測し、局所血流調節の心筋微小循環における役割を評価した。 方法:麻酔開胸家兎を人工換気し[N_2O:O_2=7:3(コントロール,n=6),8:1(低酸素灌流,n=6)]、毛細血管内皮細胞のα_2受容体と結合する血流マーカー:^3H-desmethylimipramine(30μCi)を左房内に投与した。1分後にKCI(i.v.)で心停止し、左室自由壁の心外膜から心内膜まで連続切片(0.1mm厚)を作成した。バイオイメージングアナライザ(ModelHGE,Fujix Co.)により血流分布に応じて血管内皮細胞に取り込まれた^3H-DMIのβ線放射活性を検出し、分解能0.1×0.1mm^2で血流分布のデジタルイメージを得た。各イメージ毎に隣接する局所血流間の相関C_Aと局所血流変動係数CV(局所血流の標準偏差/平均)を求めた。分解能を順次低下させ、イメージを粗視化したときのC_A,CVも求め、血流分布を評価した。 結果と結論:コントロールのPO_2及び左室圧は97±20mmHg,99±1mmHgで、低酸素灌流時には各々26±5mmHg,82±8mmHgに低下した(p<0.001,0.05)。 C_Aは低酸素灌流時に増加し(p<0.001)、この傾向は粗視化によって増大した。逆に、局所血流変動係数CVは低酸素灌流時に低下し(p<0.001)また、両灌流時のCVとも粗視化とともにフラクタル的な減少を示した。以上より、低酸素灌流時における中枢側冠細動脈による局所血流調節の有意性と心筋微小領域血流の空間的一様化が示唆された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Takeshi Matsumoto etal.: "Mathematical mocleling for the unsteady flow separation through a Collapsible Channel." Biofuid Mechanics (Proceering of the 3rd Intonatanal Syenposium). 17. 261-269 (1994)
-
[Publications] 松本健志 他: "RI分子血流トレーサーによる心筋内血流の空間分布パターンのイメージングと解析-局所冠血流調節単位の推定-" 第19回日本微小循環学会総会抄録集. 89 (1994)
-
[Publications] 松本健志 他: "新しい分子トレーサを用いた局所心筋血流分布計測の分解能の向上-正常酸素と低酸素灌流時の血流比較-" 大阪大学BME研究会コロキアム講演論文集. 7-12 (1995)
-
[Publications] 松本健志 他: "心筋血流分布にみられる不均一性の計測と解析" 第3回バイオエンジニアリングシンポジウム講演論文集. 940-5. 242-243 (1995)
-
[Publications] 松本健志 他: "低酸素灌流に対する心筋血流調節機構の空間的応答-分子血流トレーサによる心筋微小循環領域の血流イメージング" Japanese Circulation Jaurnal. 59. 88 (1995)
-
[Publications] Takeshi Matsumoto etal.: "Distrblution of myocardial perfqsion" The 4th China-Japar USA-Shirgapore Confereixe on Bionechanics. (1995)