1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05710066
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
中村 奈良江 西南学院大学, 文学部・児童教育学科, 助教授 (60227923)
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Keywords | 空間表象 / 空間認知 / 空間探索ストラテジー / 系列的情報処理 / 空間表象のタイプ / 空間表象の形成過程 |
Research Abstract |
本研究では、大スケールの空間内での空間表象の形成過程を分析することを目的としている。コンピュータによるシュミレートした空間の実験と比較するための基礎データの1つとして、口頭で与えられた空間情報をどれくらい正確に把握できるかを調査した(日本心理学会発表)。その結果、空間の広さそのものではなく、空間の中の複雑さが空間表象を形成させる困難さに影響を与えることが明かとなった。また、従来考えられていた様な空間把握の為の最良のストラテジーがあるというのではなく、自分の能力や空間の複雑さに合せてどれくらいストラテジーを自由に有効に操作できるかと言った問題を検討する必要があることを示した。この実験では、空間の表象を作成する際に、自分のイメージや言語記憶を干渉するものはなかった。しかし、実際の空間では、見えにとらわれる状況が存在する。コンピュータによるシュミレートした空間での実験では、言語情報と同様の空間でありながら、見えていることがどのように影響を与えるかを検討中である。また、これらの実験では、空間の中の目印をいっさい取除いて空間がどのように獲得されるかを検討したが、実際の空間では、目印が空間の表象を決定するための様々な要因になると考えられ、目印はどのように把握されているのか、空間表象のタイプによって目印とされるものが異なるのかについて検討した。また、この働きは発達的に違いが有るのかについて検討中である。さらに、体制化の1つの要因として文化差によるframeの捉え方の違いの検討として、留学生による日本での空間の広がり方と日本人学生による空間の広がり方のデータを収集した。
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