1993 Fiscal Year Annual Research Report
箱庭に表現される内的世界の連続性の諸相及びそれと制作者の人格特性との関連について
Project/Area Number |
05710082
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
齋藤 眞 愛知教育大学, 教育学部, 助手 (80242890)
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Keywords | 箱庭療法 / ロールシャッハ・テスト / 想像力 / 人間運動反応 / 物語 / 人格類型 / 人格変容 |
Research Abstract |
今年度に行った研究は、以下の通りである。 被験者は大学生20名(男子5名,女子15名)であった。各被験者に約1週間の間隔をおいて箱庭作品を4回制作してもらい、4回目の制作後にQカード分類によるタイプ・テストを実施した。また、その後1週間以上おいたうえでロールシャッハ・テストを施工した。実験期間は4ヶ月にわたった。(1回のセッションに約1時間を要するうえに、同一被験者に対して約1ヶ月にわたって定期的にセッションを重ねてもらうという、被験者にとっても負担の重い実験であったため、謝金を用意した。) 現在、各被験者のタイプ・テストとロールシャッハ・テストについての整理がほぼ終了し、各作品に使用された玩具の数や種類、また使用されている領域についての数量的な分析を行うべく、パーソナルコンピュータへのデータの入力を行い、どういう視点で統計的分析を行うが検討中である。(備品としてパーソナルコンピュータ等を購入し、データの整理や入力に対して謝金を用意した。)また、各被験者の4回の箱庭作品の「連続性」や変化の仕方について、「被験者の内的世界をイメージの流れとしてどのように見るか」という視点に関する様々な意見を得るよう認めた(旅費として使用)。 被験者の絶対数は少ないものの、個々の被験者の特徴について詳しく検討しようとしているため、成果を論文としてまとめるのには時間を要するかもしれないが、『心理臨床学研究』(日本心理臨床学会)や『箱庭療法学研究』(日本箱庭療法学会)などの専門学会誌への投稿を予定している。
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