1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05730057
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
徐 正解 一橋大学, 商学部・附属産業経営研究施設, 講師 (10242356)
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Keywords | 途上国の産業発展 / 韓国の電子産業 |
Research Abstract |
1.研究成果 この研究では、韓国電子産業における発展の歴史を分析することによって、一般的に発展途上国のキャッチ・アップと産業進化の論理及び動因を明らかにしようと試みた。主な研究成果をまとめると次のようである。 (1)途上国のキャッチ・アップと産業発展の動因を取り上げると、政府の産業育成政策のみならず、企業家の存在、市場での企業間競争も重要な要因である。途上国の産業発展は政府の採ってきた産業育成政策をだけをもって語られる場合が多いが、産業育成政策に劣らず企業間競争も産業発展の重要な要因である。 (2)より注目すべき点は、上記に取り上げた要因が互いに絡み合うような相互作用を通じて途上国が先進国をキャッチ・アップし、またその国の産業が発展するということである。一般的に途上国の産業育成政策は政府の金銭的な援助・助成のみを強調しがちである。しかし、産業育成政策の焦点は、市場の形成や企業家群の発生、企業間競争を促すようなところにあるべきであろう。さらに市場での競争に誘導された産業政策の実施など、いわゆる政府と民間部門の相互作用が産業の発展ダイナミズムの源泉になるということである。 2.今後の研究の展開 今後の研究の展開はさらにミクロ的に途上国の産業発展の動因を探 ることである。とくに、発展途上国においては技術の蓄積が何よりも大切であることを勘案し、産業発展の動因を技術蓄積の視点から照明してみる。
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