1993 Fiscal Year Annual Research Report
Calabi-Yau多様体を中心とする高次元代数多様体の代数幾何学的研究
Project/Area Number |
05740011
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 正典 東京工業大学, 理学部, 助手 (60234845)
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Keywords | Calabi-Yau多様体 / 小平エネルギー / K3曲面 / toric geometry / mirror symmetry / 偏極多様体 / strange duality / 代数幾何学 |
Research Abstract |
Calabi-Yau多様体の2次元の対応物はK3曲面であるので、K3曲面にたいするミラーシンメトリーをまず調べることにする。さて、2次元正規特異点のArnol'dによる分類の中で、変形の実質的次元(modality)が1であるものは3種の類に区分され、その一つが例外型特異点と呼ばれる14個の特異点である。Arnol'dはこれらに「奇妙な双対性(strange duality)」が成立していることを観察し、その根拠を問うた。Pinkhamによれば、これらの特異点を変形してあるスムージングをとると、K3曲面で、重み付き射影空間の重み付き超曲面として実現されるものにコンパクト化できる。このK3曲面に対するミラーシンメトリーが奇妙な双対性に対応すると思われる。一方、ミラーシンメトリーの一つの現象としてRoan-Batyrevによるトーリック幾何学における双対とみなせると予測されているものがある。この2つを組み合わせ、双対錐を用いた計算の結果、幾つかについて奇妙な双対性を確認した。 藤田氏により定義された小平エネルギー、特にその対数版は、正規特異点を持つ偏極対数的多様体の不変量である。特に対数的末端特異点を許した小平次元が負である代数多様体に対しては、降鎖条件を満たし次元に関する帰納的構造を持つような特徴的な値分布を示すと期待される。多様体の正則写像に対しても帰納的構造を持つように定式化し、一般次元の結果の他、特に有理的でない曲面の場合は分布が1次元の場合に帰着できることを示した。
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Research Products
(1 results)