1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05740133
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
太田 泰広 広島大学, 工学部, 助手 (10213745)
|
Keywords | ソリトン / 非線形可績分系 / 戸田方程式 / Painleve方程式 / Flenkel励起子 / 一次元量子スピン系 |
Research Abstract |
1.ソリトンにおける双線形理論を用いることによって、相対論的戸田格子方程式が、戸田格子、戸田格子のBacklund変換、離散時間戸田格子の三つの系に分解できることを示し、この方程式が可績分であることを明らかにした。従属変数変換によってこの系の双線形形式はPlucker関係式に帰着され、その解がCasorati行列式で与えられることを示し、N-ソリトン解を構成した。 2.相対論的戸田格子方程式の空間を二次元化した式において、reductionを行うことにより、可績分になるように変形されたdouble sine-Gordon方程式を導出した。その方程式に対して、N-二重キンク解の存在を証明し、解の挙動を解析的に調べた。 3.二次元戸田分子方程式のq-差分化を行うことによってq-戸田分子を導出し、その解、Backlund変換、Lax対を提出した。このq-差分方程式に対してreductionを行うことにより、q-差分化されたcylindrical戸田分子方程式を構成することに成功した。 4.離散PainleveII方程式を、従属変数変換によって双線形形式に書き直し、特別なパラメタの値に対してその双線形方程式が、離散Airy函数を成分とするCasorati行列式解をもつことを示した。同様の手法が、離散PainleveIII方程式にも適用できることがわかった。 5.一次元二準位系におけるFrenkel励起子系の発光スペクトルと、一次元量子スピン鎖の相関函数の間の対応関係を議論し、発光強度のスケーリングが、スピン系の臨界指数によって与えられることを明らかにした。スペクトルのFourier成分が、ソリトン方程式のtau函数に一致していることを用いて、相互作用にランダム性がある励起子系に対して、スペクトルを記述する非線形可績分方程式を構成した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Yasuhiro Ohta: "Casorati Determinant Solution for the Relativistic Toda Lattice Equation" J.Math.Phys.34. 5190-5204 (1993)
-
[Publications] Kenji Kajiwara: "q-Discrete Toda Molecule Eqnation" Phys.Lett.A. 180. 249-256 (1993)
-
[Publications] Yasuhiro Ohta: "Casorati and Discrete Gram Type Determinant Representations of Solutions to the Discrete KP Hierardy" J.Phys.Soc.Jpn.62. 1872-1886 (1993)
-
[Publications] Michio Jimbo: "Structure of the Space of States in RSOS Models" Int.J.Mod.Phys.A. 8. 1457-1477 (1993)