1994 Fiscal Year Annual Research Report
位相共役波によるCuClの三重項励起子から励起子分子への緩和過程の研究
Project/Area Number |
05740199
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蓮尾 昌裕 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40218433)
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Keywords | CuCl(塩化第一銅) / 励起子 / 非線形分光 |
Research Abstract |
1.CuClのZ_3三重項励起子(以下r_2励起子と呼ぶ)を二光子励起するために、赤外での反射効率の高い回折格子を購入し、光輝度のパルス赤外レーザー光源の製作を行った。それを用いて5kGの磁場中でr_2励起子の二光子励起を行ったが、輝度がまだ不十分であったこと、更には色素の特性のためレーザー発振の繰り返しが高められずduty比が悪かったことなどからノイズ限界の範囲でr_2励起子のシグナルは観測されなかった。しかし、この過程でこれまで精密に測定されていなかったZ_3励起子のp系列が二光子分光法によりかなり精度よく測定されることが明かになり、CuClの励起子系についての新たな知見を得ることができた。 2.そのため一層の輝度の向上、およびduty比の向上のためフロー式の色素セルを購入し、パルス赤外レーザー光源の改良を行っている。 3.一方、レーザー発振のduty比を根本的に上げるため、既存のチタンサファイアリングレーザーからの定常赤外光を用いてr_2励起子の二光子励起を試みた。その過程でプログラマブル電圧計を購入し、赤外光の波長が掃引できるように改良した。今のところ、輝度が十分得られないのと、波長掃引がモードホップを伴いスムーズでないことなどよりr_2励起子からのシグナルは観測されていない。しかし、このことにより高分解能の測定が可能になりZ_31_s縦波励起子の準位幅の上限値および下限値が評価された。
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