1993 Fiscal Year Annual Research Report
オクタデヒドロ[14]アヌレン合成と性質に関する研究
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05740394
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
くわ谷 善之 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (00234625)
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Keywords | デヒドロアヌレン / Bergman反応 / 芳香族性 / エンジイン / パラジウム触媒 / 低原子価パナジウム錯体 / ピナコール / 共役系化合物 |
Research Abstract |
私はオクタデヒドロ[14]アヌレン1の芳香族性およびそのtanden-Bergman反応によるアントラセンテトララジカル2の発生の可能性に興味を持ち,その誘導体の合成を検討した.今回ベンゾ誘導体3をキノン体4を経て合成することに成功し,これが芳香属性を有する比較的安定な系であることを明らかにした. 合成に当たっては環状エンジイン骨格の新規合成法を開発した.すなわちジイン体5と0-ジヨードベンゼンのパラジウム触媒クロスカップリングを経て合成したジアルデヒド体6を,低原子価バナジウム錯体を用いてピナコール体7とし,これをメシル化した後パラジウム触媒を用いて還元し,エンジイン体8に導いた.この一連の反応は温和な条件で進行し,収率もよいので環状エンジインの一般的合成法になるのではないかと考えている. 以上のように、今回,新規合成法を開発することにより,興味ある共役系であるオクタデヒドロ[14]アヌレン誘導体3を合成した.
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