1993 Fiscal Year Annual Research Report
キラル 1,3ーシンジオールの高選択的不斉アルドール反応によるone-pot合成
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05740397
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
金子 雄一 高知大学, 理学部, 助手 (00243816)
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Keywords | キラルルイス酸 / 不斉アルドール反応 / 不斉還元 / 1,3ーシンジオール / 不斉合成 |
Research Abstract |
(S)-バリンのp-トルエンスルホンアミドとボラン・THFから調整されるキラルボラン1__〜は不斉アルドール反応に対する良いプロモーターである。この1__〜をシリルエノールエーテルとアルデヒドの反応に用いると高いエナンチオ選択性で1,3ーシンジオールが得られることがわかった。この反応は不斉アルドール反応進行後にその反応中間体に対して1__〜のヒドリドによる還元が進行したものと考えることができる。種々反応条件を検討した結果、右に示すような条件で高い光学純度を持つ1,3ーシンジオールを合成することが可能になった。1,3ーシンジオールは対応するアルドール生成物と比較して高い不斉収率であることから反応の第二段階である還元も高い選択性で進行していることがわかる。 この連続した不斉アルドール反応-不斉還元反応はアキラルな出発物質から一段階で1,3ーシンジオールを与えるこれまでにない有用な反応である。次にこの方法を用いた天然物の不斉合成について検討した。ターゲットとして選択したendo-1,3-ジメチル-2,9-ジオキサビシクロ[3,3,1]ノナン2__〜はNorway spruceから単離されたambrosia beetleに対する一次誘引物質である。下に示すA,B2つの方法を検討した。Aでがアセトアルデヒドに対する面選択が不十分であったため、満足な選択性は得られなかったが、Bの方法を用いて十分なエナンチオ選択性で目的物の不斉合成を達成することができた。
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[Publications] Yuichi Kaneko: "The Structure and Conformation of a Chiral Borane-Aldehyde Complex Searched by Using MNDO Calculations.A Prediction of the Transition State Assembly in the Chiral Borane Mediated Aldol Reaction" Memoirs of the Faculty of Science,Kochi University,Series C. 15. 9-14 (1994)
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[Publications] Yuichi Kaneko: "Direct Enantioselective Synthesis of syn-1,3-Diols by Reaction of Aldehydes with Enol Silyl Ethers in the Presence of a Chiral Borane Complex.Successive Asymmetric Aldol Reaction and Asymmetric Reduction with One Promoter" Tetrahedron Letters. 35(印刷中). (1994)