1993 Fiscal Year Annual Research Report
新規錯体分子集合体“有機-遷移金属複合系電荷移動錯体"の合成とその電機構の解明
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05740421
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
北川 宏 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (90234244)
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Keywords | 分子金属 / 電荷移動錯体 / 有機超伝導体 / プロトン / 遷移金属錯体 / 一次元金属 / 分子集合体 / プロトントランスファー |
Research Abstract |
1.電導性有機-遷移金属複合系は新しい型の錯体分子集合体であり、最近申請者らにより合成されたジアミノグリオキシム金属錯体とTCNQとの電荷移動錯体[M(HDAG)(H_2DAG)]TCNQ(M=Ni,Pd,Pt)はその初めての例である。そこで、この錯体を最初のモデル物質として物質合成・物性研究を行なった。物性測定において良質の単結晶を用いることは必要不可欠であるので、拡散法・電解法等により良質の錯体単結晶を育成した。 2.この錯体の単結晶を用いて、室温から極低温までの電気伝導度・光伝導・ゼ-ベック係数・ESR・磁化率の研究を行ない、キャリヤ-の種類・濃度、伝導電子の散乱機構等の輸送現象について明かにした。 3.同じ錯体の単結晶において、赤外から可視、紫外域にいたる偏光反射スペクトルを測定した。結果を解析し、それらの電子構造と電荷移動励起状態の性質を明かにした。また赤外吸収分光・ラマン分光により、電子-プロトン結合に間するフォノンの知見を得た。 4.申請者のこれまでの研究によっても明らかなように、錯体結晶において圧力は極めて強い外部摂動効果として働く。高圧力は、結晶格子定数・エネルギーバンド構造・電子-電子相互作用・電子-格子相互作用等を連続的に変化させることにより、固体物性を変えることが可能な手法である。そこで、上記の錯体の単結晶において高圧下での精度の高い測定を行ない、圧力印加による物性変化について電気的性質と光学的性質を中心に調べる。また圧力効果の検討は、物質設計の指針を得るためにも重要である。
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[Publications] 北川,宏: "A New Two-Band System of dand PI with interband H-bnideges" Synthetic Metals. 56. 1783-1786 (1993)
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[Publications] 北川,宏: "New Type of H-Boided CT Complexes" Mol.Cryst.Liq.Cryst.228. 155-160 (1993)