1993 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロボディ蛋白質の膜透過に関わるレセプターの検索
Project/Area Number |
05740489
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 仁志 名古屋大学, 農学部, 助教授 (20220014)
|
Keywords | マイクロボディ |
Research Abstract |
マイクロボディ蛋白質は例外を除き、遊離のポリソーム上で成熟型と同じ分子量で合成された後、マイクロボディに輸送されるとこが明かにされている。また、その輸送シグナルは多くの場合はC末端にあり、Ser-Lys(Arg)-Leu(SK(R)L)配列と考えられている。しかし、マイクロボディ蛋白質の膜透過に係わるレセプターに関する報告はほとんどない。本研究ではこのマイクロボディ蛋白質の膜透過機構を解明することを最終的な目的とし、輸送シグナルSK(R)L配列とアフィニティを持つ膜蛋白質を検索した。 これまでの研究から、蛋白質とレセプターとの結合にはシグナルSK(R)Lのみならず、10アミノ酸残基程度の長さが必要であるという結果を得ていた。そこで、マイクロボディの主要なタンパク質であるmalate synthase(MS)のC末端10アミノ酸残基IHHPRELSRL-COOHを、maltose binding protein(MBP)のC末端に付加した融合タンパク質(MBP-MS)を大腸菌で発現させ、アミロースカラムを用いて精製した。無傷マイクロボディはカボチャ黄化子葉から、ラフィノース/パーコール法で単離した。MBP-MSと無傷マイクロボディをインキュベートした後、マイクロボディを回収してMBP-MSを抗MBP抗体で検出したところ、MBP-MSはマイクロボディと結合していることが確認された。MBP-MSと結合したマイクロボディ膜タンパク質を同定するために、MBP-MSと可溶化した膜タンパク質をインキューベートした後、アミロースカラムに供して複合体の分離を試みたが、特異的なタンパク質は検出されなかった。膜タンパク質を可溶化することによって、MBP-MSとのアフィニティが低下した可能性が考えられる。現在、MBP-MSと膜タンパク質の複合体をクロスリンクさせる実験も試みている。
|