1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05750013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤居 義和 京都大学, 工学部, 助手 (80238534)
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Keywords | 微小角斜入射イオン散乱 / 表面ステップ / 水切り運動 / 表面ウェイク誘起電場 / 表面阻止能 / 表面航跡 / 単結晶清浄表面 / 鏡面反射散乱 |
Research Abstract |
高速イオンが表面で散乱するときに異常な散乱をしてエネルギースペクトルに振動構造を引き起こす原因を求めるため、数+keVの高速のイオンを結晶表面に微小角で斜入射させ散乱イオンのエネルギースペクトルの構造を、イオンの入射角依存、散乱角依存、荷電状態依存およびエネルギー依存等について詳しく調べる研究を行った。イオンの阻止能はイオンの荷電状態に依存するため、散乱イオンのエネルギースペクトルはイオンの荷電状態に分けて測定する必要がある。散乱イオンのうち中性粒子のエネルギーも測定するために、加速器から散乱槽に導入する入射イオンをプログラマブル電源によって静電的にスイッチし、散乱粒子検出器で検出されるまでの時間を測ることによって測定する。(飛行時間測定法)装置を完成させた。得られた飛行時間測定装置のエネルギー分解能は0.7%であり、散乱イオンのエネルギースペクトルの構造を調べるのに十分な性能であった。そして、イオンの阻止能の荷電状態依存を明確にするため、電荷の異なる散乱イオンを磁場によって振り分け、それぞれのイオンの検出をパーソナルコンピュータによってコントロールし、記憶モジュールにためることによってスペクトルの測定を行った。数十keVのH+を原子的に平滑なSnTe(100)表面に微小角で斜入射させ、散乱イオンのエネルギースペクトルの構造を調べた結果、表面ステップ密度の小さな表面の場合に、イオンの入射角に依存しないスペクトル構造を見いだし、水切り運動による現象と結論づけた。また、散乱イオンのエネルギー損失の電荷による差は本実験装置の測定分解能以下であった。この結果は、イオンの荷電変換が表面付近で頻繁に行われていることを示す。今後は、散乱イオンのエネルギースペクトル構造の荷電状態依存をさらに詳しく調べることによって、水切り運動の素過程と誘起電場のより詳しい情報を得る研究を行う。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Yoshikazu Fujii: "Energy loss of 0.7-MeV He ions due to the dynamic response of surface electrons" Physical Review A. 47. 2047-2054 (1993)
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[Publications] Kazumasa Narumi: "Energy losses of 12-32 keV H+,He+ and N+ ions at glancing angle scattering from clean surfaces of silicon crystals" Journal of the Physical Society of Japan. 62. 1603-1611 (1993)
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[Publications] Kazumasa Narumi: "Contribution of Inner Shell Electrons to Position-Dependent Stopping Powers of a Crystal Surface" Surface Science. 293. 152-159 (1993)
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[Publications] Kazumasa Narumi: "Observation of Skipping Motion and Subsurface Planar Channeling of 30 keV H+ Ions on Single Crystal Surfaces" Surface Science. 303. 187-196 (1994)
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[Publications] Yoshikazu Fujii: "Interplay of Charge Exchange and Energy Loss of MeV He Ions Specularly Reflected from a Crystal Surface" Physical Review A. 49(印刷中). (1994)
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[Publications] Yoshikazu Fujii: "Position-Dependent Charge-Exchange and Energy-Loss Processes of MeV He Ions near a Cryatal Surface" Nuclear Instruments and Methods in Physics Reseach Section B. 印刷中.
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[Publications] Kazumasa Narumi: "Skipping Motion of 15-30 keV H+ Ions on Single Crystal Surfaces of KCl and SnTe" Nuclear instruments and Methods in Physics Reseach Section B. 印刷中. (1994)