1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05750037
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
岡田 佳子 (首藤 佳子) 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (50231212)
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Keywords | バクテリオロドプシン / 位相共役光学 / 縮退4光波混合 / 偏光記録 / フォトニクス |
Research Abstract |
バクテリオロドプシン(以下bRと略)は、分子サイズ単位で可視光に反応して脱色し、もとへもどるサイクルを安定に繰り返すという優れた性質をもつ光受容タンパク質である。このフォトクロミズムを利用して縮退4光波混合による位相共役波の発生を行い、偏光情報を記録できる、すなわち入力光の偏光によって出力光の偏光を制御できることを確認してきた。本研究では全ての情報を光信号にのせて処理する光-光制御技術(フォトニクス)の一端として、生体素子bRの最もユニークな特徴である偏光の認識性を応用し、偏光状態を情報のキャリア(例えば、縦偏光をtrue,横偏光をfalse)とする入出力すべて光を用いた純光学的な論理回路の設計と動作確認を行い、入出力すべて光を用いた論理回路を実現した。 Ar^+レーザを用いた4光波混合実験において、1/2波長板を用いて書き込み光と読みだし光の偏光を180°変化させ、縦偏光をtrue(or 1)、横偏光をfalse(or 0)とし、発生する位相共役波の偏光(縦あるいは横)を演算結果とする光論理回路の設計を行った。まず偏光特性をそのまま利用してexclusive or回路を構築し、さらに1/2波長板、偏光ビームスプリッター等偏光素子を用いてand,or回路を設計、構成した。 入力光がビームの場合には数点の偏光素子を用いるだけでand,or回路の構築が出来、ともに高速応答を示した。さらに入力光の画像への拡張を試みたが、直交する偏光を含む画像サンプルの作製が困難であったため画像の論理演算実現には至らなかった。しかしプローブ光を直交する偏光をもつ2画像とし、これを同時に2重書き込みしたところ偏光子1点で2画像の和・差演算に成功し、bRを用いた生体素子が画像情報処理に有用であることを確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Okada,I.Yamaguchi,J.Otomo & H.Sasabe: "Polarization Properties in Phase Conjugation with Bacteriorhodopsin" Jpn.J.Appl.Phys.32. 3823-3832 (1993)
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[Publications] Y.Okada-Shudo: "Optical Applications of Bacteriorhodopsin Films" Proceedings of Third International Conference of The International Society on OWLS. (1994)
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[Publications] 岡田佳子: "有機生体材料へのホログラム記録" 写真工業. 2. 112-115 (1993)
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[Publications] 岡田佳子: "生物を用いた光情報記録・変換素子" 応用物理学会日本光学会第30回サマーセミナー論文集. 1-13 (1993)
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[Publications] 岡田佳子: "バイオ素子による光情報処理" 光アライアンス. 10. 46-47 (1993)
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[Publications] 岡田佳子: "バクテリオロドプシンを用いた光情報処理" オプトロニクス. 2. 57-61 (1993)