1993 Fiscal Year Annual Research Report
表面プラズモンを利用した超微細周期パターンのホログラム記録
Project/Area Number |
05750050
|
Research Institution | Kumamoto National College of Technology |
Principal Investigator |
松田 豊稔 熊本電波工業高等専門学校, 情報通信工学科, 助教授 (00157322)
|
Keywords | 表面プラズモン / ホログラフィー / 回折格子 / 安減の方法 |
Research Abstract |
薄膜金属格子に励振される表面プラズモン波の干渉を利用した微細周期パターンのホログラム記録に関する研究を次のように行った: 1.薄膜金属格子に励起される表面プラズモン波を求めるために,周期構造における電磁波の固有値問題の数値解法を導いた; 2.1.の固有値問題を計算機を用いて解き,薄膜金属格子の構造パラメータ(材質,溝形状,膜厚)を変化させたときの,励起される表面プラズモン波の伝搬定数を求めた。その結果,薄膜金属格子の膜厚を調整することによって,表面プラズモン波の伝搬定数が制御できることを数値的に見出した。 3.2.の結果を踏まえて,微細周期パターンをホログラム記録するための光学系を考案した。この光学系は,銀でできた薄膜金属格子の両端をフォトレジストでコーティングし,両側からp偏光した平面光を入射させるものである。 4.3.の光学系でフォトレジストに記録される干渉パターンを計算機シミュレーションにより求めた。そしてフォトレジストに記録される干渉パターンが凝正弦波状の周期パターンであることを確かめた。さらに,薄膜金属格子の構造パラメータの最適化を行えば,干渉パターンの溝周期を100nm程度にできることを実証した。上記の研究成果は,すでに日本光学会,電気学会電磁会理論研究会および電子情報通信学会光エレクトロニクス研究会で発表している。今後は,1.から4.までの研究成果をまとめて論文として投稿する予定である。また,本年度は計算機シミュレーションまでしかできなかったので、本研究の成果を実験的に確かめることが今後の課題の一つである。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] T.Matsuda and Y.Okuno: "Resonance absorption in a metal grating with a dielectric overcoating" IEICE Trans.Electron.E76-C. 1505-1509 (1993)
-
[Publications] 松田豊稔,奥野洋一: "薄膜金属格子における共鳴吸収" 電子情報通信学会 平成6年春季大会講演論文集. (1994)
-
[Publications] 松田豊稔,奥野洋一: "表面プラズモン波を利用した微細周期パターンのホログラム記録" 光学連合シンポジウム旭川′93講演予稿集. 197-198 (1993)
-
[Publications] 松田豊稔,奥野洋一: "金属格子における表面プラズモンの特性解析" 電子情報通信学会、光、エレクトロニクス研究会資料OQE93-96. 83-88 (1993)
-
[Publications] 松田豊稔,奥野洋一: "薄膜金属格子による平面波の散乱と吸収" 電気学会・電磁界理論研究会資料 EMT-93-54. 47-56 (1993)
-
[Publications] 松田豊稔,奥野洋一: "表面プラズモン波を利用した微細周期パターンのホログラム記録" 電気学会・電磁界理論研究会資料 EMT-93-109. 119-128 (1993)