1993 Fiscal Year Annual Research Report
塑性域締結されたねじ締結体の疲労強度向上に関する研究
Project/Area Number |
05750141
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻 裕一 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (10163841)
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Keywords | ねじ / ねじ締結体 / ボルト / 塑性域締付け / 弾塑性解析 |
Research Abstract |
ねじ締結体に静的あるいは動的荷重が作用する場合,外力の一部がねじに追加軸力として作用する.塑性域締結されたねじ締結体の疲労強度の推定に重要なねじの追加軸力に対する挙動について,解析的な検討を行い,実験結果とも比較し,締結体の外力負荷における設計基準となることを示した. 塑性域締付けにより得られるボルト軸力,すなわち降伏締付け軸力は,締付けにより生じる軸力およびねじ部トルクの組合せ応力により決定され,全断面降伏を考慮した剛塑性体問題の解に基づき推定することが可能であり,推定値はボルト・ナットの塑性域締付け試験の実験結果と良い一致を示した.締付け後の外力により追加軸力が作用する場合の挙動も降伏締付け軸力の場合と同様に軸力と残留ねじ部トルクの組合せ応力に支配される. 円柱に軸方向ひずみとねじりが同時に作用することによる全断面降伏を初期条件として,ねじり角一定で軸方向ひずみが増大する弾塑性問題について,ひずみ増分理論に基づく解析解を求めた.これにより円柱のひずみと軸力の関係が与えられる.ボルトのねじ部を円柱にモデル化し,上記の解をねじに適用した. M10強度区分10.9のボルトについて解析結果と実験結果を比較検討した.追加軸力の勾配は締付け終了後に残留するねじ部トルクに影響され,締付け後のねじ部トルクの減少が少ない程勾配は減少する実験結果が得られた.解析はねじ部トルクの減少がない場合に相当し,実験結果とも良い一致を示した.最も厳しい条件で得られた本解析結果は追加軸力による追加塑性伸びを評価するための設計基準となる.
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Research Products
(1 results)