1993 Fiscal Year Annual Research Report
非定常電磁場での溶融金属の非線形不安定波に関する研究
Project/Area Number |
05750159
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大島 修造 東京工業大学, 工学部, 助手 (20143670)
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Keywords | 流体工学 / 電磁流体力学 / 非定常電磁力 / 鉛直加振 / 液体金属 / パラメータ励振 / 交流磁場 / 交流電流 |
Research Abstract |
本研究では,非定常電磁力による液体金属の鉛直加振に焦点を絞り,印加磁場と印加電流が波動励起の条件に与える影響および波動形状を,線形安定解析,数値解析および水銀を用いた実験により明らかにした.線形安定解析はローレンツカ項を付加したナビエ・ストークス方程式,オームの式を始めとする基礎方程式と,速度および電流の境界条件,界面の運動学的条件を摂動法により,線形化された方程式を得,固有値問題として不安定波の発生領域を求めた.実験装置は,交流電磁石および周波数変換器から構成され,直流または交流電源から強制電流を容器内の水銀に印加した.解析と実験はともに交流磁場に直流磁場を印加した場合,交流磁場に交流電流を印加した場合の2つのケースについて行い,後者では印加磁場と印加電流の位相差を変化させた. 解析結果より,不安定波の発生領域はスチュアート数,レイノルズ数,ウェーバー数の3つの無次元パラメータによって支配され,スチュアート数の増加によって系は安定化するが,逆にスチュアート数,ウェーバー数の増加によって系は不安定になること,波数ベクトルが印加磁場に平行な場合が最も不安定であり,不安定波の振動数は,直流電流を印加した場合には印加磁場の周波数の半分,交流を印加した場合には印加磁場の周波数と同じで,この場合は印加磁場と印加電流の位相差によって不安定領域が異なること等が明かとなった.また,実験により,容器を加振させることなく,非定常電磁力による溶融金属の鉛直加振が可能であることが確認された.実験から得られた不安定波の発生条件は線形安定解析の結果と良く一致し,不安定波の波形および非定常電磁力との位相差も数値解析結果と良く一致した.
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