1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05750184
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 祐二 東京工業大学, 工学部, 助手 (20242274)
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Keywords | 局所排気 / 竜巻渦 / 捕集率 / 伝熱促進 / 旋回比 |
Research Abstract |
従来の室内上部に設置された換気装置は、底面近傍で発生した紛塵等が拡散によって室内の上部に移動したものしか排気を行っていない。そこで本研究では、室内を換気するには排気だけでなく給気も必要な点に着目し、室内上部で給気の流れに旋回を与えることにより竜巻を発生させ、底面から効果的に局所的な排気を行う機構の基礎的研究を行った。 レイノルズの相似則を考慮して作動流体を水とし、室内空間を模擬した正方容器の上部に、本研究で試作した給排気を行う竜巻発生装置を設置し、装置真下の底面に置かれたポーラス体からしみ出すインクにより排気の様子を可視化した。さらに、底面と排気口での単位時間当たりのインクの濃度の比として捕集率を定義し、これを局所排気の性能を表す1つの指標とした。その結果、排気口を上部に設置しても底面からの流体を周囲に拡散することなく局所排気を行うことができた。捕集率については、排気速度に対する給気側の旋回速度の比である旋回比が重要であり、排気速度と排気管直径から得られるレイノルズ数によらず最大の捕集率を与える給気口高さが存在し、また旋回速度を大きくした方がより良く捕集されることが分かった。さらに、このような現象の底部加熱面での熱伝達への影響についても実験を行った。その結果、旋回比の増大に伴い急激に伝熱が促進されるが、捕集率の旋回比に対する傾向とは異なり、竜巻発生部の位置を高くすると伝熱促進の効果が低下した。これより局所排気性能の向上と底面での伝熱促進とは、その機構の相違のために1対1に対応していないということが分かった。また竜巻渦の機構を解明するために、軸対称層流モデルについて数値解析を行った結果、上部からの旋回流が底面にまで達し軸中心方向に加速しながら集まり、スピン効果により旋回速度が底面の軸付近で増加し、さらに底面上方で層流渦が遠心力によって半径方向に広がる渦への遷移の様子が分かった。
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