1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05750265
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Research Institution | Kagoshima National College of Technology |
Principal Investigator |
中村 格 鹿児島工業高等専門学校, 電気工学科, 助手 (50227881)
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Keywords | パルスパワー / 初期電子 / 表面の粗さ |
Research Abstract |
従来、電力機器の高電圧試験は、絶縁破壊が起こり始める時の現象は電力システムの容量には無関係であるという仮定の下に行われ、試験電源の電流容量は破壊までの電圧波形が歪まない点を考慮して、短時間過電圧を模擬した電流容量の小さい高電圧電源を使用している。被試験設備をできるだけ焼損・破壊させることなく破壊電圧だけを知る目的で行う高電圧試験の場合には、このような小容量電源による高電圧試験で差し支えない。しかし、実際の高電圧設備は巨大な容量の電力システムに接続されており、絶縁破壊が発生すると、その点にエネルギーが集中して大電流が流れる場合が多い。本研究は、このことに着目し、大容量のパルスパワー発生装置を用いて、絶縁破壊時の大電流の絶縁回復特性やコンディショニング効果への影響についての研究を行い、より信頼性の高い絶縁技術を確立してゆくことを目的として、平成5年度1年間で完結するよう計画されたものである。この目的を達成するため、パルスパワー発生装置に関して、大型実験は、前研究機関である九州大学の装置を使用して遂行し、小型詳細実験は、現研究機関の鹿児島高専において製作して行った。 このように、従来の絶縁試験用電源とは性質を異にしたパルスパワー発生装置を絶縁破壊試験に使用した結果、次の事項が明らかになった。 1.発生する電圧の立ち上がりが高速であるために、初期電子の有無が破壊特性に影響する。 2.極めて大容量の電源であるために、絶縁破壊時に注目されるエネルギーにより電極に凹凸が出来るが、その粗さが破壊特性に影響する。 3.大容量高速度過渡電圧による絶縁破壊試験は、より実際の事例に近い試験を行え有効である。
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Research Products
(2 results)