1993 Fiscal Year Annual Research Report
II-VI族化合物半導体の水素化解離過程の解明と薄膜成長への応用
Project/Area Number |
05750293
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
斗内 政吉 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (40207593)
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Keywords | II-VI族化合物半導体 / 水素プラズマ / プラズマ分析 / プラズマ発光 / エッジプラズモン / 移動度非接触評価 |
Research Abstract |
本研究の目的は、II-VI族化合物半導体の水素化解離過程に関する知見を得、良質薄膜成長への応用を計るものであり、当該年度に得られた研究実績は以下のとおりである。 1.水素プラズマと半導体(Si,GaAs,ZnS,CdS)の反応過程を、プラズマ発光分析、プラズマ状態密度および電子温度測定により検討した。その結果、Siとの反応では、SiH_4等のガス状分子が形成され、その他でもAsH_4、H_2S等の生成物が確認された。Ga,Zn,Cdはガス状ではないものの、ZnH等の水素化生成物として通常の金属よりも低い温度で昇華していることが示唆される結果が得られた。このとき、データ収集および解折には本研究費のうち設備品として購入したコンピューターを用いた。 2.水素プラズマを用いたスパッタリング法により(100)GaAs上(100)ZnS、(100)CdSのエピタキシャル成長が確認された。しかしながら、現状は多くの積層欠陥および不純物の析出などの問題を抱えており、化学量論比の保たれるよう化学反応ゾーンと成長過程と分離を計っている。 3.できた薄膜の評価は結晶性のみなのが現状であった。そこで、移動度の非接触評価を試みた。非接触評価にはヘテロ接合を作製し、その量井戸におけるエッジプラズモン励起の観測により行う方法を提案した。今回、n型GaAs系量子井戸において移動度の非接触測定が可能である事を初めて明らかにした。
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