1993 Fiscal Year Annual Research Report
2次元電子ガスを用いたダイナミックメモリ用メモリセルの研究
Project/Area Number |
05750315
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中司 賢一 九州大学, 工学部, 助手 (50237252)
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Keywords | 2次元電子ガス / ダイナミックメモリ / MOS / シリコン / 反転層 / キャパシタンス |
Research Abstract |
Siにおける2次元電子ガス(2DEG)をDRAMセルに適用するために、まず始めにこの2次元電子ガスを電極とした平行平板コンデンサの特性を把握するためのMOSキャパシタを通常のMOSトランジスタプロセスを用いて試作した。このMOSキャパシタは、構造的にはMOSトランジスタそのものであるが、ドレインとソースはn^+層が形成されてなくオーミックコンタクトであり、またフィールドおよびゲート酸化膜両方とも膜圧が500Åである。用いたデザインルールは20mumである。次に、キャパシタ構造と電荷蓄積時間との関係を検討するために、ドレイン(ソース)あるいはゲート電極と基板裏面の電極とを電極とみなしたMOSキャパシタの特性を測定した。正バイアスを加え強い反転状態でのキャパシタンスを測定したところゲート電極とのMOSキャパシタは通常の特性を示したが、ドレイン(ソース)電極とのMOSキャパシタは逆の特性を示しバイアス電圧に比例する大きな容量が観測され、バイアス電圧2Vでは零バイアス時の3倍であった。さらに、零バイアス時に得られた容量はゲート電極のMOSキャパシタと比較して単位面積あたり4倍であった。このことは電荷の蓄積時間が増大することを意味している。パルス応答法により時定数を測定したところ負荷抵抗が600OMEGAの時、約2musecであった。読み出し/書き込みゲートはプロセス装置の都合上試作できなかったがこれは通常のMOSゲートでよいと考えている。 今後の課題として、メモリセルを試作しその特性を評価することがある。
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