1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05750371
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
西島 利尚 法政大学, 工学部, 講師 (70211456)
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Keywords | ディジタル情報 / 誤り制御 / 漸近的距離比 / 信頼度関数 / 復号誤り確率 / 見逃し誤り確率 / 連接符号 / 繰り返し符号 |
Research Abstract |
ディジタル情報の誤り制御に関する理論的研究の具体的な成果は、「連接符号と繰り返し符号の漸近的な能力の比較」として論文発表を行った。これは、Shannonの通信路符号化定理を具体的に満足する唯二つの符号クラスである連接符号と繰り返し符号の漸近的な能力を比較した。従来、連接符号は情報理論と符号理論の立場から信頼関数による平均的な能力と構成的に与えられ符号の漸近的距離比により評価され、繰り返し符号は、構成的に与えられる符号に対してのみ、限られた条件のもとで、2元シンボル当たりの復号誤り率がゼロに収束することが示されているにすぎず、同一評価基準によりどちらの符号クラスがどれだけ優れているかの定量的評価がなされていなかった。そこで本研究では、復号のために必要な計算量を考慮しながら、同一の評価尺度による両符号の比較を行い、本質的に連接符号が繰り返し符号より優れていることを定量的に示した。まず、両符号はともに復号のために必要な計算量が符号長の多項式オーダで現実可能であり、この条件のもとで漸近的距離比が非ゼロの繰り返し符号が存在しないことを示した。そして、構成的に与えられる連接符号、Justesen符号と繰り返し符号、Elias符号に対して、同一符号化比率でかつ同一の復号のための計算量を仮定し、両者の復号誤り確率の上界のゼロへの収束速度の比較を行った。その結果、Justesen符号が、かなり速い速度で収束することを示した。 また、「繰り返し符号の見逃し誤り確率の評価」として論文が条件付採録が決まっている。これは、誤り訂正符号が適用されているARQやVLSIのBISTにおいて従来用いられている符号よりも、見逃し誤り、計算の複雑さの2点から、繰り返し符号を誤り検出にのみ用いた場合の方が有効であることを示している。また、理論的にも、見逃し誤り確率が符号長のオーダで指数的にゼロに収束することをも同時に示した。
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Research Products
(1 results)