1993 Fiscal Year Annual Research Report
微地形の影響を考慮したサイスミックマイクロゾーニングに関する研究
Project/Area Number |
05750538
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松岡 昌志 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (80242311)
|
Keywords | 微地形分類 / サイスミックマイクロゾーニング / 液状化危険度 |
Research Abstract |
微地形の影響を考慮したサイスミックマイクロゾーニングを行うために十分な強震記録のデータセットは少ない.それを補う目的で地震観測を小田原市坊所公民館と小田原市立町田小学校に設置し,地震記録の収集に努めている.さらに,その作業と平行して,サイスミックマイクロゾーニングを行うに際して,地盤情報に関するデータベースである国土数値情報に含まれる地形学的情報のみから地形を微地形に分類する手順を提案した.本手順は津軽平野,能代平野,庄内平野,新潟平野,濃尾平野などに適用し,各地域の微地形分類図を作成した.既往の微地形分類図との検証により,分類誤差は3%程度と小さく,本分類手順の精度が良いことが確認された.本手順は国土数値情報という全国を網羅した数値地理情報を利用していることから,他の地域に応用することが容易である.その一例として分類手順を関東地方に適用し作成した微地形分類図を用いて,想定地震に対する液状化危険度分布予測を試みた.既往の研究成果により,液状化の発生の難易は微地形と密接な関係があり,各微地形毎に液状化を発生せしめる最大速度振幅が提案され,微地形分類のみから液状化発生の有無を予測することが可能となっている.現在までのところ,地震動強さに及ぼす微地形の影響に関する資料は少なく,研究代表者らによる地震観測点を含めた多数の記録の蓄積を待たなければならないため,本研究では,対象地点の地震動強さについては既に提案した方法に基づいている.これは地形毎(微地形より大規模な地形)に決定される地盤の揺れやすさを考慮し,既往の距離減衰式を利用することで最大速度で表現した震度分布図を得るものである.1987年千葉県東方沖地震を例にとり,震度分布図と微地形分類図との重ね合わせから予測された液状化危険度の分布は,実際の液状化発生地点と良い対応が示された.
|
Research Products
(1 results)