1994 Fiscal Year Annual Research Report
部材の性能と接合部の性能の相関性に関する実験的研究
Project/Area Number |
05750541
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
五十田 博 信州大学, 工学部, 助手 (40242664)
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Keywords | 木質構造 / 接合部 / 信頼性理論 / ヤング係数 / 等級区分 |
Research Abstract |
本研究は合理的な木質構造の設計に欠かせない材料と接合部の強度性能の相関性を把握することを目的にした実験的研究である。従来、部材の性能を表す因子として比重が考えられ、許容応力度も比重に応じて決められていた。比重はその計測が困難で、これまで樹種に対して1比重という形態であった。しかし近年部材のヤング係数を計測することが比較的簡易に行えるようになり、部材の許容応力度もヤング係数に対して与えられるように変化してきた。そこで、本研究では部材の性能を代表するものとして曲げヤング係数を、接合部の性能を代表するものとして円形めり込み性能を考えた。実験は、様々なヤング係数の部材に、ピン径12〜24phiの円形めり込みを生じさせ、その荷重とめり込み量を測定するものである。 実験の結果、以下の知見が得られた。 1.接合強度と曲げヤング係数の間には、相関係数0.78以上の強い正の相関関係がみられた。しかし、ピン径が20mmの場合には、その傾向がみられない。 2.初期剛性と曲げヤング係数の間には、接合強度ほどではないが、相関係数0.42〜0.77程度の正の相関関係がみられる。しかし、強度の場合と同様にピン径20mmの場合にはその傾向がみられず、逆に負の相関を示した。 3.部材の曲げヤング係数とは別に、含水率、比重の計測を行ったが、含水率はほとんど相関が見られず、比重は曲げヤング係数と同程度の相関が見られた。 試験体数が少ないものがあったため、相関が見られないものもあったが、部材の曲げヤング係数を用いて、接合強度を評価する方法は有効だという結果が得られた。
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