1993 Fiscal Year Annual Research Report
夏季の暑熱緩和効果を対象とした市街地空間の風通しに関する実験的研究
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05750559
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
成田 健一 広島大学, 工学部, 助教授 (20189210)
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Keywords | 対流熱伝達 / 風洞実験 / 建物周辺気流 / 都市気候 / 通風 / 蒸発 / エコシティ / ア-バンキャニオン |
Research Abstract |
エコロジカルな街づくりのための計画要素として現在注目されている市街地空間の風通しに関して,濾紙面蒸発を利用した対流伝達率の推定という独自の評価手法を駆使し,"風通しの良い街づくり"のためのいくつかの設計指針を初めて明らかにした。得られた主な成果は以下の通りである。 1.風向が街路と直交する場合の2次元キャビティー空間における建物壁面対流伝達率の分布を検討した。街路空間のアスペクト比L/H(L:街路幅,H:建物高さ)=1〜3/2程度で風下面の中央高さ付近の値が顕著に増大する。これは,この程度の街路形状において,循環流が最も発達することに起因している。このことからL/H>1程度までは"風通し"は確保されていると判断できる。 2.風向を街路と平行とした場合の2次元キャビティー空間における伝達率分布は,中心に対して対称な分布形となり,側面は上端から下方に向かってやや減少,街路面は中央部でやや大きくなる。L/Hによる変化は風向が街路と直交する場合よりも小さくL/H=1/6程度でも7割程度の"風通し"は確保されている。 3.十分な風通しが確保されているL/H=1の街路で囲まれた5×5列の街区を想定し,街区ブロック内部の伝達率を検討し,ケース・スタディとして,街区の中央を空地とした場合ならびに同所を高層化した場合の効果についても比較検討した。空地化した場合,空地周囲の各鉛直面では3〜9割の伝達率の増加が生じる。しかしながら,屋上面では5%以下の変化しか認められず,影響範囲はそれほど広くはない。一方,高層化した場合にはその周囲で最大2.5倍の伝達率の増加が認められ,影響範囲も空地化した場合に比べかなり拡大する。低層高密地域においては,空地化や高層化は風通しを改善する一つの有効手段といえる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 成田健一: "市街地における建物外表面伝達率に関する実験的研究 その14 2次元キャビティー空間における面内伝達率分布" 日本建築学会中国支部研究報告集. 18. 245-248 (1994)
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[Publications] 成田健一: "市街地における建物外表面伝達率に関する実験的研究 その15 市街地ブロックにおける伝達率分布のケース・スタディ" 日本建築学会中国支部研究報告集. 18. 249-252 (1994)
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[Publications] 成田健一: "都市域における建物外表面対流伝達率に関する風洞実験(その2)" 日本伝達シンポジウム講演論文集. (印刷中). (1994)