1993 Fiscal Year Annual Research Report
小・中学校の生活科及び社会科におけるまちづくり教育の展開とその地域性に関する研究
Project/Area Number |
05750581
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
田中 勝 豊田工業高等専門学校, 建築学科, 講師 (70202174)
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Keywords | 社会科 / まちづくり教育 / 地域学習 / 生涯学習 / 副読本 / 教科書 / 地域性 |
Research Abstract |
まちづくりの出発点は住民参加であり、そのためには住民一人一人が身近な地域や都市の現状と将来について理解し、現実の様々な問題に対処していくための基礎的知識を育てていくこと=まちづくり教育が重要である。本研究は、生涯学習の一環として地域による魅力あるまちづくり教育のあり方を再検討するためい、愛知県下88市町村を事例として、小学校3年用社会科副読本の中で何が、どのように教えられているのか、そこに地域性は存在するのかどうかの2点について、調査・分析を行った。研究結果を要約すると、以下の如くである。1.まちづくり教育に最も関連のある教科は社会科である。文部省学習指導要領や教科書による一定のしばりの中で、地域学習の有効な教材として副読本が活用されており、愛知県の場合、名古屋市を除くすべての自治体が副読本を作成している。2.副読本の初版刊行時期は昭和40〜50年代が多く、教育現場の担当者に学識経験者を加えたワーキンググループで執筆されることが多い。3.副読本の編集スタイルは、読み物型から、時代と共に会話型(参加型)や課題提示型へと移行しつつある。4.まちづくりに関する教育内容をみると、学習指導要領に基づく地域共通性の高いキーワード(施設、商店等)と地域性の強いキーワード(おりもの、せともの)とに分かれる。5.郷土学習のテーマとしては、愛知用水や豊川用水、入鹿池などの形成史が扱われている。6.従来の副読本に代わる教材としてフォトCDが注目されつつあるが、現時点では音声入力に制限がある。7.現行の社会科副読本でが学習指導要領のしばりが強く、教科書の枠を出ていない。まちづくりについて何をこどもたちに教えていくべきか、建築や都市計画の専門家や市民の立場から積極的に提案していくことが必要である。また現行の社会科教育のプロセスについても見直しが必要である。
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Research Products
(1 results)