1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05750669
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関口 秀俊 東京工業大学, 工学部, 助手 (50226643)
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Keywords | 熱プラズマ / 噴流層 / 廃棄物処理 / PET / 分解 |
Research Abstract |
様々な飲料用ボトルとして、PET(ポリエチレンテレフタレート)が大量に使用されている。このPETゴミはその使用量に対応して年々増加傾向にあり、リサイクル品の対象にもなっている。この研究ではこの廃PET材を高温、高活性な熱プラズマを利用した熱プラズマ噴流層を用いて処理し、可燃性ガスやPET中に触媒として含まれているゲルマニウムを回収することを目的とした。まず熱プラズマ噴流層を作成した。そして噴流状態を、不活性な炭化珪素粒子を用いて調べた。その結果、噴流層内の温度はプラズマの当たるフレーム部付近は1500℃程度であった。また高さ方向に温度分布は減少する傾向にあった。なお、炭化珪素粒子の粒径が小さいため、粒子がガスに同伴されたり、粒子の量が多いとバブリングを起こすといった問題が生じた。このフレーム部での温度を用いてPET分解の平衡組成を計算した。その結果、固体炭素が生成しない条件での平衡組成では、一酸化炭素、アセチレン、エチレン、メタンが多く生成すると予想された。一方、固体炭素が生成する条件下では、一酸化炭素、水素、固体炭素が主生成物と考えられた。実際にPETを噴流層で分解した結果、噴流層からは煤状のものが大量に発生した。このため、生成ガスの分析は困難となった。分解後の噴流層内を観察するとPET粒子の周囲が溶け、粒子同士が固まって大きな塊状のものが形成されていた。また表面が白色から黒く変色していた。この原因として、使用した粒子が大きいため粒子があまり動かず、熱にさらされた部分のみが分解または溶融し、周囲の粒子と結合したためと考えられた。したがって今後、生成ガス、固体生成物の分析を行うとともに、粒子流動化の改善のための噴流層の設計変更、煤生成抑制の為の水素や酸素の添加等を検討する必要がある考えられた。
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