1994 Fiscal Year Annual Research Report
気相添加物によるラジカル反応の制御を利用した低圧酸化シリコンCVD成膜反応の改良
Project/Area Number |
05750684
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江頭 靖幸 東京大学, 工学部, 助手 (70223633)
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Keywords | CVD / シラン / 酸化シリコン / ラジカル反応 / 気相添加物 / エチレン / テトラエトキシシラン / 反応機構 |
Research Abstract |
シラン/酸素系の反応を利用し、酸化シリコンを成長させるプロセスは代表的なCVD法(気相化学成長法)の一つである。ラジカル連鎖反応により、400℃以下の低温でも成長可能であり、得られる膜質も良好である事から、VLSI作製のプロセスで好んで用いられるが、同時に粉体が発生しやすい欠点がある。ラジカル連鎖反応による気相反応の高速な進行は、本反応が低温でも成膜できる主要な原因であると同時に粉体発生の原因であるとも考えられる。現状では、その進行を直接的に制御する必要がなく、安定的な反応器の操業には困難を伴う。今回、気相に添加物を加える事でこのラジカル連鎖反応を制御する事を目的に研究を進めた。 まず、シラン燃焼反応の研究においてラジカル連鎖反応を抑制する効果が在る事が知られているエチレンを添加物として検討した。その結果、シラン/酸素のみでは粉体が大量に発生してしまう500℃程度の高温領域でもエチレンの添加により粉体発生を抑え、スムーズな膜を成膜する事ができる事が明らかになった。またその膜の組成を光電子分光法により検討したが、バックグラウンドレベル以上の炭素は見出されなかった。 更にテトラエトキシシランを添加物とした場合を検討した。テトラエトキシシランもシリコン原子を持ち、熱分解反応により酸化シリコンを生じる事が知られているがその反応は700℃以上の領域で生じるものであり、今回検討した500℃程度の温度領域では添加物として作用すると考えられる。この場合もエチレンと同様に気相での粉体発生の抑制効果が現れた。 以上、二つの添加物を用いてシラン/酸素系反応を制御する手法を示した。さらにCVDプロセスにおける気相添加物の有用性を示した。
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