1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05750706
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
後藤 猛 秋田大学, 鉱山学部, 助手 (10215494)
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Keywords | 膜在性酵素 / リポソーム / 固定化酵素 / gamma-グルタミルトランスペプチダーゼ |
Research Abstract |
生体膜に存在する酵素(膜在性酵素)はその機能発現と安定化にリン脂質またはリン脂質二分子膜の反応場を必要とするなどの特徴を有するため,この酵素機能を利用するための有効な固定化技術は無かった。著者は,ゲルビーズ内に封入したリン脂質二分子膜閉鎖小胞体(リポソーム)が膜在性酵素の固定化担体として有効と考え,Wallstenらの方法を応用したコール酸透析除去法によって牛腎臓gamma-グルタミルトランスペプチダーゼをリポソームに再構成するとともにこのリポソームをゲル内に封入固定化する事を試み,タンパク質とリン脂質の固定化量および酵素反応性を観点として固定化条件を検討した。その結果,透析緩衝液としてTris-HCl(pH7.5),支持担体ゲルとしてセファロースCL-6Bが,また,酵素-リン脂質-コール酸混合溶液のリン脂質濃度は45mg/mlが最適であることを明らかにした。なお,この際,リポソームが封入固定化されているゲルビーズと封入固定化されていないリポソームとを分離することが再現性のあるデータを得る上で重要であったが,補助金により購入した高速冷却遠心分離器は特にこの目的に使用した。さらに,本固定化方法において介在するリポソームはgamma-グルタミルトランスペプチダーゼの反応性と安定性に非常に有効であることを示した。また,ゲル充填カラムを用いたリアクター操作を行い,リポソームを介してセファロースCL-6Bに固定化したgamma-グルタミルトランスペプチダーゼは12時間に渡って安定にその触媒機能を発現出来ることを明らかにした。以上の結果より,リポソームとセファロースCL-6Bから成るこのハリブリット型担体は脂質要求性酵素または膜在性酵素の固定化に有効であることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)