1993 Fiscal Year Annual Research Report
補酸素循環再生システムを組み込んだ無担体バイオリアクターの構築
Project/Area Number |
05750713
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
末 信一朗 福井大学, 工学部, 助手 (90206376)
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Keywords | バイオリアクター / アルコールデヒドロゲナーゼ / 酵素工学 |
Research Abstract |
酸素を水に溶解し有機溶媒と2相系で反応を行えば、酸素を固定化操作を行うことなしに簡便に系内に保持できる。本研究では馬肝臓由来アルコール脱水素酸素(ADH)を用いて、ケイ皮アルコール(CAC)からケイ皮アルデヒド(CAD)の生産について水-有機溶媒2相系反応システムへの応用を検討した。具体的には3.〇unitsADH及び30mumolNAD^+をTris-HCI緩衝液3.0mlに溶解し反応槽に入れ、その上に30mumolCACを含む等容の有機溶媒をのせ、水相を攪拌しながら反応を行った。反応生成物はGCより定量した。15EA02:本システムに用いた有機溶媒は、基質及び生成物であるケイ皮アルコール、ケイ皮アルデヒドの分配率および有機溶媒中での酵素の安定性を検討した結果からジイソプロピルエーテルに決定した。次に反応液のpHを8.8として水相単一系で本酵素反応によるCADの生産を行ったところ4時間でCACからCADへの転換率14.3%でCADが生成した。また、水相単一系での反応の進行は水相中のpHに大きく依存しており、pH9.8の条件では反応4時間で転換率はxx%であった。一方、水相中でのpHを8.8として2相系で反応を行うと同時間で転換率53.6%のCADが生成し、水相単一系より効率よく反応が進行した。これは、酵素から生成物が速やかに除かれるためと考えられる。また、水相中にはCAC、CADともにほとんどその存在が確認されなかったことなどから、反応は界面で行われているものと推定された。ADHの濃度を変えて、界面張力を測定した結果ADHが界面に吸着していることがわかった。このことから、今後は反応の場を界面に有する新しいバイオリアクターの構築を目指す。
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Research Products
(1 results)