1994 Fiscal Year Annual Research Report
泥質岩の圧密に伴う透水特性変化のモデル化と超長期圧密・流体移動シミュレータの開発
Project/Area Number |
05750833
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
徳永 朋祥 東京大学, 工学部, 助手 (70237072)
|
Keywords | 泥質岩 / 圧密 / 浸透率変化 / logK-logphi / 二次元二相 / 堆積盆シミュレータ |
Research Abstract |
本研究では、圧密にともなう泥質岩の浸透率変化を明らかにするために、一次元高圧圧密・透水試験器を用いて、泥質試料の圧密にともなう透水性変化の実測を行った。試料は、房総半島の上総層群黄和田層の泥岩・市販されているイライトが主成分の泥岩を粉砕したものおよび、市販のカオリナイト粉末を用いた。 求められた浸透率(K)と間隙率(phi)の関係は、間隙率の大きな領域では、土質工学の分野で一般的に使われているlogK-間隙比(e)の直線関係がほぼ成り立っている。ところで、今回の実験および過去に公表されている圧密実験データから、logK-logphiの関係は、間隙率の大きい領域からかなり小さな領域までよい直線関係を示すことが明らかになった。 このような結果は、自然のサンプルの今まで公表された結果とも間隙率が30%以上の領域では調和的である。しかし、より圧密が進んだ領域では、過去に公表された結果は、上記の関係を示していない。現在、より圧密が進んだ領域における透水特性変化を明らかにするために、transient pulse法を用いた浸透率・間隙率同時測定を行うための予備実験を始めたところである。 超長期圧密・流体移動シミュレータに関しては、炭化水素の生成・移動まで考慮した二次元二相の堆積盆シミュレータの開発を行った。このシミュレータを用いて、仮想的な堆積盆の発達史の計算を行った。その結果、このシミュレータでは、地質時間にわたる(およそ1500万年間)堆積盆発達史を、比較的高速に再現できることがわかった。また、その計算結果は、地質学的に妥当なものであることを確認した。現在は、このシミュレータを三次元に拡張することを行っており、また、侵食過程も考慮できるようにするために、更なるコーディングを行っている。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Tokunaga T.et al.: "Change of hydraulic properties of muddy deposits during compaction:assessment of mechanical and chemical effect." Proc.7th Cong .Intern Assoc Eng.Geol.発表予定. (1994)
-
[Publications] 徳永朋祥ほか: "圧密にともなう堆積物の物性変化と堆積盆シミュレーション" 月刊地球. 15. 601-607 (1993)
-
[Publications] 徳永朋祥ほか: "土から軟岩にかけての泥質堆積物の透水性の変化-力学的圧密実験と文献調査による検討-" 日本応用地質学会平成5年度研究発表会講演論文集. 173-176 (1993)
-
[Publications] 徳永朋祥ほか: "二次元堆積盆シミュレータの開発(第一報)" 第58回石油技術協会春期講演会講演要旨. 96- (1993)
-
[Publications] 徳永朋祥ほか: "泥質岩の力学圧密にともなう浸透率変化に関する研究" 第58回石油技術協会春期講演会講演要旨. 100- (1993)