1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05760056
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
大和田 琢二 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (90211804)
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Keywords | 浸透圧調節 / 根粒菌 / 浸透圧ストレス |
Research Abstract |
1.大腸菌(pSUP5011を保有したS17-1株)をトランスポゾン(Tn5)の供与菌とし、ダイズ根粒菌(Rhizobium Fredii USDA 191株)とのメ-ティングによって浸透圧感受性変異株を得た。特異株には、対数期でNaClを添加した時にのみ増殖が抑制される株と、予めNaClを含んだ培地に移した時にのみ増殖が抑制される株の2つのタイプが得られた。 2.1で得られた変異株は、宿主植物(WilliamsとBragg)に根粒を形成したが、その重量は親株の約半分であり、白色を呈していたことから、窒素固定能力の無い無効根粒であると考えられた。また、自然界の宿主植物(インゲン)から新たに単離した38株の根粒菌について、その根粒重量と浸透圧調節機能とを比較したところ、両者の間には危険率1%で有為な相関が見られた。これらの結果から、浸透圧調節機能は有効な根粒を形成する上で、重要な役割を担っていると考えられた。 3.根粒菌の細胞内ATPレベルは、培地に高い浸透圧を加えた場合、一般にコントロールに比して高く維持される傾向にあったが、変異株のATPレベルはコントロールとほぼ同じレベルであった。イオン、アミノ酸類の細胞内含量には、親株と変異株との間に有為な差異は認められなかった。 4.Tn5のHind III領域をプローブとして、変異株の全DNAとサザンハイブリダイゼーションを行った。その結果、Tn5の挿入箇所は1箇所であり、クロモゾーム上であることがわかった。現在、浸透圧調節に関わると考えられる15kbのEcoR I断片をクローニング中である。
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